初の「乳幼児生活状況調査」で、乳幼児の健康リスクや妊産婦の孤独感を明らかに 480の貧困世帯の実態

乳幼児期の貧困実態を明らかにしようと、子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(東京・千代田)が、「乳幼児生活状況調査」を初めて実施した。調査は、3歳以下の乳幼児がいる非課税世帯や児童扶養手当受給世帯などを対象に、昨年6〜8月に実施。同様の調査では国内最大規模となる480世帯から回答を得た。

紙おむつを買えず、「替える回数を減らした」7割

経済的な理由で紙おむつが買えなかった経験が「ある」と回答したのは49.2%で半数に上った。その時の対応を聞いたところ、最多は「おむつを替える回数を少なくした」で74.6%だった。

紙おむつを買えなかった経験とその際の対応について

【出典】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

 

乳幼児の抵抗力は未熟なため、不衛生な状態が長時間続けば、おむつかぶれなどの肌トラブルや感染症につながるリスクがある。貧困による節約で、乳幼児が健康上のリスクを抱えている実態が明らかとなった。

 

粉ミルクを買えず、「薄めて飲ませた」4割

続いて、粉ミルクについても同様に質問した。経済的な理由で粉ミルクを買えなかったことが「ある」と回答したのは39.6%で、その対応策の最多は「粉ミルクを薄めて飲ませた」で41.1%だった。次いで「粉ミルクをあげる量を減らした(27.9%)」、「粉ミルクをあげる回数を減らした(26.8%)」。経済的理由を背景に離乳食開始前の乳児に十分な栄養を与えることができず、健康や発育に悪影響を及ぼしている可能性も明らかにした。

粉ミルクを買えなかった経験とその際の対応について

【出典】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

 

他、子育て中の孤独感や養育についても聞いており、子育て中の孤独感を感じている人は7割、経済的な理由から適切な養育ができないと思ったことがある人は5割に上った。調査結果を踏まえ同団体は、低所得世帯向けの育児用品の支援や、特に支援が必要な妊産婦への対策強化の必要性に言及。こども家庭庁をはじめ、関係省庁や自治体へ訴えていくとしている。

 

 

 

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