猛暑対策で健康経営、9割の企業が取り組むも内容は不十分 実施すべき6つの対策とは?
近年の記録的な猛暑を受け、暑さ対策による従業員の健康管理が急務となっている。帝国データバンクの企業動向調査によると、約9割の企業が暑さ対策を実施しており、具体的な対策トップ3は「健康状態の把握」「水分・塩分補給や冷却商品の支給」「クールビズの実践」でいずれも5割近くに上る(調査実施2024年8月、企業1,572社)。
調査では企業の約9割が何かしらの対策を行っていることが明らかになったが、グローバル・マネジメント誌『ハーバードビジネスレビュー』の記事「従業員を猛暑から守る6つの対策」を読むと、健康状態の把握や冷却商品の支給などでは、決して十分な暑さ対策とは言えないことがわかる。
同記事では、「熱ストレスは、ほとんどすべてのセクターが影響を受ける物理的リスクである。冷房費用の上昇や消費者需要の変化だけでなく、健康への影響から、熱ストレスは企業にとって大きな脅威である。猛暑は、疲労、けいれん、精神状態の悪化、糖尿病合併症、さらには脳卒中を引き起こす可能性さえある。どの属性の人にもかなりのリスクがあり、あなたの会社の従業員も例外ではない」とした上で、夏の健康経営で取り組むべき以下6つの対策事項を提示。企業や従業員の猛暑に関するヘルスリテラシー向上や、ヒートヘルス行動計画の策定の重要性を述べている。
- 予防的アプローチを取る
- 「誰にとって」「どのくらい」が暑すぎる状況かを知る
- 室内の温熱快適性を最大化する
- 屋外労働者向けの訓練と安全策を整える
- 暑熱順化を実践する
- 長期的なヒートヘルス行動計画を採用する
猛暑は従業員の体調悪化やそれによる直接的なコストだけでなく、社内全体やチームの生産性低下も招くことから、各社で対策が急務だ。需要は今後伸びるとみられ、暑さ対策に特化した健康経営ソリューションの登場に期待が寄せられる。
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