女性に評価されたヘルスケア商品は? 223社・446商品がエントリー、70商品が受賞 からだにいいこと大賞

女性向け健康雑誌『からだにいいこと』は今月16日、本当にからだにいいと認定した商品を表彰する「からだにいいこと大賞」の結果を発表した。223社446商品がエントリーし、本誌の読者、編集部、有識者による審査を通過した70商品が受賞した。2024年は、どんな健康商品に女性たちの高評価が集まったのか?反対に、どんな商品が低評価を受けたのか?

【撮影】ウーマンズラボ編集部(12月16日に都内で開催された「からだにいいこと大賞」の授賞式)

選考方法

1次選考の審査員は、読者188人と編集部。全エントリー商品を試し、以下12項目において評価。高得点の商品の中から70商品が一次選考を通過した。

  1. 使い方は わかりやすかったか?
  2. デザイン、パッケージなどは「気分が上がる」見た目か?
  3. 使うことでハッピーになれるか?
  4. 楽に続けられそうか?
  5. 目新しい感じがしたか?
  6. 効果を実感できたか?
  7. 信頼できると感じたか?
  8. 環境に配慮していると感じたか?
  9. 価格についての納得感があったか?
  10. 人にすすめたいと思ったか?
  11. 自分でお金を払ってでも買いたいと思ったか?
  12. この商品が「からだにいいこと大賞」にふさわしいと思ったか?

2次選考では、web上での一般投票(のべ18,994票)に加え、編集部と、モデルの道端カレンさんや美容家の君島十和子さんなど美容・健康の専門家による評価を実施。合計点を算出し、70商品それぞれに授与する各賞を決定した。

 

受賞商品から見る2024年健康トレンド、7キーワード

今年の受賞商品には、どんな傾向が見られたのか?以下7つのキーワードを、2024年の健康トレンドとして発表した。

  • セミパーソナライズ
    完全なオーダーメイドではなくても、AIやLINEも活用して「自分にぴったり」の提案をしてくれる方法が進化
  • 好きなものは変えずに健康
    おしゃれや快適さをガマンしないで健康になる、という流れはますます当たり前に
  • 一石二鳥ヘルシー
    「食物繊維と抗酸化成分」「糖質オフと脂肪燃焼」「免疫ケアと脂肪ケア」など、一石二鳥で健康になる欲張りな商品が増加
  • ながら代謝アップ
    コロナ以降、座りっぱなしの時間が長くなり、多くの人が代謝ダウンを実感。「座ったまま、歩きながら、お茶を飲みながら代謝を上げたい」という願いに応えた商品が人気を獲得
  • デトックス気分
    「溜まった汗や老廃物などを洗ったり出したりしてスッキリしたい」というニーズに応えた商品も多数
  • 大豆ラッシュ
    プラントベースや植物性たんぱく質と言われても、やっぱり大豆が一番!ということで、大豆をおいしく食べる新しい方法が数多く登場
  • 酷暑対応
    以前と比べ日本の夏は本当に暑い。普通には過ごせなくなってきた中で、暑い夏でもつけられるナイトブラや、冷房による冷え対策グッズなど、酷暑にやさしい健康商品も今年らしい傾向

本誌プロデューサー奥谷裕子氏に話を聞いたところ、今年は特に「アフターコロナー」と「AI」の社会トレンドを背景にしたニーズへの対応商品が目立ったという。「コロナ禍に染み付いた”体を動かさない習慣”を解消したいというニーズに応える商品が目立った。AIを活用した商品も増えたが、AIで完全にパーソナライズした商品設計よりも、AIと人間によるサポートをほど良く組み合わせた”セミパーソナライズ”型の商品設計の方に高評価が集まった。完全に機械化するのではなく、商品・サービスのどこかに人間の温もりを残しておくことが大事。特に健康は習慣化の点からつまづきやすいので、人間によるリアルなサポートは重要な役割を果たす。いずれは全てがAIで自動化・機械化される時代がくるだろうが、まだしばらくの間は、健康・医療領域においては、根幹となる部分や最終的な部分は人間が関わるべき。今後は企業にとって、AIをどのレベルまで活用するか?がカギになるだろう」。

 

受賞商品

大賞

菌活しながらファスティングができる「リセットボックス(株式会社ALFOR)」。ファスティング初心者でも安心して始められるよう、管理栄養士などがLINEでファスティングをサポート。

 

準大賞 

肩こりをケアしてくれるパールネックレス「リエリィ(コラントッテ株式会社)」。毎日の生活に溶け込むデザインで、ケアを習慣化。

 

腸内環境を整えるスーパー食材「国産皮つき紫もちむぎプチコさん(くらしのポトフ)」。国産皮つき紫もち麦は、もち麦の中で唯一、アントシアニンが含まれ高栄養価で低カロリー。

 

部門別

中からケア部門

毎日の食事にプラスオンしたり置き換える食品で体を美味しく手軽にケアできる12商品が受賞

睡眠・リラックスケア部門

頭から足先まで、体内外から身体をリラックスさせてくれる6商品が受賞

ビューティーケア部門

短時間で美肌をつくったり、キレイや筋力を底上げするアイテムなど10商品が受賞

ヘアケア・オーラルケア部門

年齢悩みが出現しやすい髪と口をケアする高機能な11商品が受賞

アクティブケア部門

高機能とオシャレを両立した、日々の活動を効率良くサポートする6商品が受賞

フェムケア部門

女性特有の健康課題を対策・ケアする6商品が受賞

■次世代トレンド部門

最新の研究や新しい視点から健康づくりができる4商品が受賞

 

女性たちの評価が低かった商品は?

446商品から70商品が受賞を果たした一方で、低評価だった商品にはどんな共通項が見られたのか?奥谷氏によると、「デザインや世界観作りを努力していない商品は、評価が低かった」。かつては、健康訴求の商品・サービスに求められていたのは、あくまで健康効果であって、女性たちのデザインへの期待値は低かった。だが近年は、SNSの普及による写真映えや情緒的価値の追求を背景に、デザインや世界観づくりも意識した健康商品が増えていることから、「女性たちが商品に対して、デザイン面で我慢をしなくなった」という。奥谷氏は、「その傾向が、今年は顕著に評価に表れた。今は健康訴求の商品であっても、”デザインは良くて当たり前”という時代になったと感じている。機能性の高い良い商品であっても、オシャレではないものは『怪しい商品』『怪しい会社』という印象や評価につながっていた。この傾向は、今後も強くなっていくだろう」。

低評価の商品の傾向は、昨年も同様にウーマンズラボ編集部が奥谷氏に尋ね、昨年は「プロダクトアウト発想が強い商品は評価が低かった」と述べていた。機能性は高くても、「使い続けたいと思えない」「五感に響かない」「使い勝手が悪い」といった要素があると、総合評価は総じて低かったという。昨年に続き今年も、「情緒的価値(デザイン・UI/UX・ブランドストーリー・顧客対応など五感から受ける印象など)を追求した商品に、女性たちの評価が高く集まったということだ。機能的価値と情緒的価値の両方を追求した商品が、2025年も受賞を果たすことになりそうだ。受賞商品の詳細は、以下の『からだにいいこと 2025年2月号』に掲載。

 

 

女性に人気のヘルスケア商品は、何が評価されてる?

女性たちに人気のヘルスケア商品は、なぜ人気なのか?人気商品には、どんな共通項があるのか?2023〜2024年のヒット商品を中心に、今人気を集める話題のヘルスケア商品のユーザー評価を徹底調査・分析し、各商品の人気を支える高評価要素と、その共通項を探りました。レポート詳細・お申し込みはこちら

 

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