モノ飽和・情報過多の時代でも大ヒット、女性に支持されるヘルスケア商品に共通する7項目
モノ飽和に情報過多の今、生活者の大抵のニーズはすでに満たされ、可処分時間・可処分所得の奪い合いは企業間で激しさを増すばかり。そんな厳しい市場環境の中でもヒットを飛ばしたり長く売れ続ける商品には、一体どんな共通項があるのか?編集部が、女性をターゲットにしたヘルスケア商品の中でも、発売後まもなくヒットしたものや、SNSによる話題醸成から人気に火がついたものなど、女性たちから高い支持を得る商品の中から5カテゴリー30商品を選定し、ユーザー評価を徹底分析したところ、7つの共通項が浮かび上がった。
共通項1:するだけ+α
共通項の一つは、「〜するだけ+α」。飲むだけ、座るだけ、履くだけなど、手間なく簡単に健康になれると謳うヘルスケア商品は、今も昔も変わらず支持される鉄板要素。だが最近は「〜するだけ」に+αの価値が加えられたものが、群を抜いて人気を獲得していることがわかった。
+αの価値とは、わかりやすく言うと例えば「続けられる美味しさ」「準備や片付けの煩わしさがない」「部屋の中で場所を取らない」「インテリアに馴染む」「生活動線を邪魔しない」「快適な使い心地」など。単純に「〜するだけ」を追求した商品よりも、商品の使用シーンや継続性にまで配慮が行き届いていると、満足度が急激に高まる傾向が見られた。中でも支持を寄せる属性は、「健康意識はあるものの忙しくて時間がない」という、行動がなかなか伴わないジレンマに陥っている健康関心層。
「〜するだけ+α」を形にした商品は例えば、肩に羽織るだけで肩こりケアができる、パナソニックの高周波治療器コリコランワイド。仕事や家事の邪魔にならず、羽織っていることを忘れてしまうほどの使用感も人気の理由だ。
着るだけで疲労回復できる「BAKUNE」シリーズのリカバリーウェアは、衣服で疲労軽減ができる新しいコンセプトやその機能性の高さはさることながら、普段のパジャマの着用と何ら変わらない“煩わしさゼロ”や、肌触りにも高評価が集中。ユーザー評価の中には、「就寝中のパジャマの機能性にこだわることで、自分の身体を大切にしていると思えるのが良い」という声も。精神的な満足度を提供できている点も、この商品の「+α」の要素だ。上下揃えると2〜3万円、プレミアムラインは6万円と、一般的なパジャマとは比にならない高価格帯ながらもヒットを飛ばしているのは、多くの企業が参考にしたい成功事例だ。
行動変容が課題になりやすいヘルスケア商品にとって、「〜するだけ」という“手間なし”は、人気を獲得する上で強力な要素。だが”手間なし”をコンセプトにした商品が一般化しつつある昨今は、もはやそれだけで惹きつけるのは難しい。逆に「+α」の要素がない商品は、いくら”手間なし”を謳っていても不満が集まりやすい傾向が見られた。”手間なし”や”健康機能”の追求とは別に、利便性や快適性、従来商品の不満や不便を解消する視点をどれだけ盛り込めるか?そこに、人気商品の成否を分けるカギがあるようだ。
共通項2〜7
人気のヘルスケア商品の「7つの共通項」のうち、その他6つの共通項や、30商品の個別分析は、レポート「女性に人気のヘルスケア商品の共通項、ユーザー評価の分析でわかった『高評価要素』と『健康消費を起こす新基準』」内に掲載。ぜひご参考ください。
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