2026年の世界の消費者トレンド、4つのキーワード
市場調査の英ユーロモニターインターナショナルが今月5日、「世界の消費者トレンド 2026年版」を発表した。同社が実施した消費者調査の結果などからインサイトを分析し、来年の消費者意識や行動を予測したもので、業界横断的に4つのキートレンドを示した。
■コンフォートゾーン
現代社会の不安やストレスの高まりを背景に、消費者が「心の安らぎ」や「自分の価値観に沿った、バランスの取れた生活」を求める傾向が世界的に強まっている。生活をシンプルにし、安心感や快適さを重視する動きが拡大し、自然由来の訴求を含む商品やリラックス効果のある香り・食材、スマート家電など、癒しや快適さをもたらす商品が注目されている。
■自分らしさの追求
「ありのまま」が消費者の間で共感の波として広がりつつあり、「自分らしさを最優先する」という価値観が、消費行動に大きな影響を与えている。企業には、幅広い層に向けた一律的なアプローチではなく、個人の価値観や多様性を尊重し、個々のニーズに寄り添うアプローチが求められる。
■次世代ウェルネス
科学とセルフケアの融合が、ウェルネスの新たな形を生み出している。消費者は、日常的な健康管理 の手段として、病院で使われるような高い技術を取り入れた手段を求めるようになり、個人に最適化された健康管理や美容、パフォーマンス向上を目指す動きが加速している。
■アジア発の新潮流
東アジア発の影響力は、着実に世界で存在感を高めていて、中国ブランドに対する消費者の認識も変化。中国企業は、堅実なデジタル主導の手法を用いて海外展開に成功し、モバイル中心の戦略やアルゴリズムによるパーソナライズを活用して、顧客のエンゲージメントを高めている。
トレンドの発表にあたり、同社のリサーチマネジャーであるショーン・クレイドラー氏は、日本の消費者について次のように述べている。「世界平均と比べ、日本の消費者は日常的にストレスを感じている人の割合が多く、現実世界よりもオンライン上のバーチャル空間を好む人の割合も多い。多くの人が自分の『コンフォートゾーン』を大切にし、ストレスの軽減やリラックスを促す食品や飲料の摂取を意識しているほか、入浴習慣のある日本では、リラックス効果のある入浴関連製品も人気となっている。また、『次世代ウェルネス』を活用し、主体的に自らの健康を管理しようとする姿も見られ、ハイテクでありながら日常使いにも適した、睡眠中に疲労回復をサポートするようなパジャマ、皮膚科医の専門的知見を取り入れたダーマコスメ、パーソナライズド・ニュートリッションといった自宅でできる美容・健康ケアへの関心も高まっている」。
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