2025年の高評価・低評価のヘルスケア商品は? 256社・567商品がエントリー からだにいいこと大賞
女性向けの健康ウェブメディア『からだにいいこと』は今月16日、”からだに本当に良い商品”を選出する「からだにいいこと大賞」の結果を発表した。今回で4回目の開催。過去最多の256社567商品がエントリーした。選考を通過した全商品を、編集部、読者、美容・健康・医療の有識者161人が実際に試し、「使い勝手がよく続けられる」「楽しく健康生活が送れる」「機能性を信頼できる」といった視点から審査。8カテゴリー(※)で73商品が受賞した。2025年は、どんな商品に高評価が集まった?反対に、どんな商品が低評価だった?(※)次世代トレンド部門/フェムケア部門/中からケア部門/アクティブケア部門/睡眠・リラックスケア部門/オーラルケア部門/ヘアケア部門/ビューティーケア部門
目次
高評価のヘルスケア商品
大賞:明治の美容系チョコ「カカオボーテ」
73の全受賞商品の中で大賞に輝いたのは、明治の美容系チョコ「カカオボーテ」。カカオセラミドや高カカオポリフェノールなど、カカオ由来の美容サポート成分を配合したチョコで、チョコとしての美味しさと美容ケアの両立が評価された。
準大賞:敏感肌のためのデリケートゾーンウォッシュ
準大賞は、デリケートゾーン用ウォッシュの「アスミュウ クリア モイスチャーフォーム(ナリス化粧品)」。敏感肌用スキンケアをベースにした点が特徴で、乳酸菌の一種である「乳酸桿菌」を配合。肌が弱い人でも使える仕様が評価された。
準大賞:頭皮・美髪・顔のむくみをブラシでケア
もう一つの準大賞は、ブラッシングだけで頭皮と美髪をケアできる、EMS機能を搭載したブラシ「EMS Brush Air mini(セブンウェイブ)」。EMSが頭皮をほぐしつつ、マイナスイオンが髪の潤いをキープ。毎日のブラッシングで手軽に続けられる点や、頭皮ほぐしで顔のむくみケアまでも実感できた点が評価された。

【出典】からだにいいここと(EMS Brush Air mini<セブンウェイブ>)
2025年の健康トレンドを総括、7つのキーワード
今年も、時代の潮流を感じさせる幅広い健康・美容商品が受賞した。全エントリー商品と受賞結果を踏まえ、同メディアでは2025年の健康トレンドを総括。7つのキーワードを示した。
For Beauty
キレイになることをゴールにした健康アイテムに、支持が集まった。例えば、大賞受賞の美容サポート成分を配合した「カカオボーテ(明治)」、美容食材として知られる鳩麦を手軽に摂れるスープ「わたし整う50代からのハトムギスープ(日本精麦)」、紫外線と乾燥悩みをケアする飲料「スキンケアヨーグルト(明治)」。「キレイを目指した健康商品」をコンセプトにしたアイテムは、今後も増えると予測。
フェムケア成熟
フェムテック元年から5年が経過。フェムテック・フェムケアの目新しさは落ち着いたものの、これまでより一歩踏み込んだ提案が増えている。例えば、「生理×睡眠」に焦点を当てた体調を予測するウェアラブルデバイス「リズモ(パナソニック)」や、「デリケートゾーン×敏感肌」に着目したウォッシュ「アスミュウ クリアモイスチャーフォーム(ナリス化粧品)」。細やかなニーズに対応する商品・サービスが増えている。
香りコンシャス
評価が高かった商品には、「香りが良い」「香りが好き」という声が多く集まった。一方で「機能は良いのに香りはダメ」という商品は、高評価に至らず。市場で香り付き商品が増えている中で、香りも商品の評価を左右する重要な要素に。反対に、香り付きが当たり前とされる洗剤カテゴリーでは、無香商品を評価する声も。
紫外線と賢く戦う
猛暑の長期化で、紫外線と賢く戦うためのアイテムも登場。紫外線をカットしながら、骨を丈夫にするビタミンDの生成を妨げない「ソーラーD(アンブロシア)」は、画期的なアイテムとして、同メディアの編集部内でも話題に。
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リカバリー全方位
今年は「リカバリーウェア」が流行語大賞にノミネートされた他、書籍ランキングでも「疲労」関連が上位に。疲労回復への関心の高まりを背景に、下着、毛布、靴など、あらゆる角度から”疲労回復”をコンセプトにした商品がエントリーされた。
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食物繊維新時代
今年4月から運用が始まった「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量が一部の年齢層でも引き上げられた。市場では、食物繊維の新しい摂取方法を提案する商品が登場。「食物繊維がとれる水(ドットミー)」は、日常の水分補給と栄養補給を両立する新発想のインナーケアアイテムとして評価された。
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やっぱりチョコが好き
今年はチョコのエントリーが多く、美容成分を配合したチョコや、ごぼう入りチョコも。かつてチョコは健康・美容の大敵とされてきたが、近年はカカオパワーに注目が集まり、「チョコは体に良いもの」というイメージが広がっている。「甘いもの食べるならチョコを食べたい」という女性たちのニーズに応えようと、各社が、健康・美容を訴求したさまざまなチョコを発売している。
低評価のヘルスケア商品
567商品から73商品が受賞を果たした一方で、低評価を突きつけられた商品にはどんな共通項が見られたのか?同メディアプロデューサーの奥谷裕子氏に話を聞いた。
今年の傾向として見えたのは3つ。一つ目は「香り」。前述の通り、商品カテゴリーに関わらず香りが良くないものは評価が下がる傾向があり、「ストレス社会による疲れから、香りによる癒しを求めているのかもしれない」。香りを評価要素とする傾向は昨年も見られたが、今年はそれが顕著だったという。
2つ目は、「眠り」。睡眠をサポートする商品が今年は数多くエントリーされたものの、評価は全体的に低い結果に。効果を実感できないことが理由で、「そもそも睡眠関連の商品に対しては、女性たちが過剰に期待しているところがある」と言う。睡眠の質向上を訴求するヤクルト1000の大ヒット(2022年)を契機に広がった、「睡眠の悩みは商品で改善できる」というイメージが期待値を押し上げていると奥谷氏は見ており、「ヘルスケアカテゴリーの中でも特に睡眠カテゴリーはまだ不満が多く、ニーズは満たされていない」と指摘。「とは言え、商品単体で睡眠状態がすぐに改善されるわけではない。生活の見直しなど多角的な視点が必要だということを企業が発信して、ユーザーの睡眠リテラシーを上げていくことも必要」と話した。
3つ目は、「五感」。味、香り、デザイン、手触りなど、五感への追求が不足しているものも、評価が下がる傾向に。「デジタルと付き合わなくてはいけない時代の中で、デジタル疲労が起きている。だからこそ、シンプルに五感に訴えてくるものに魅かれるのでは」と見ている。ふわふわした手触りの商品にも高評価の声が集まり、「実は今回のトレンドキーワードには、『ふわふわ・ふかふか』も候補に入っていた」と明かす。この傾向は強まっていくと見ており、「五感を無視しすぎた商品は、今後も悪い評価につながる可能性がある」と話した。
全受賞結果は、同アワードの特設サイトに掲載。
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