美容サロンのインバウンド市場規模、197億円から445億円へ拡大 30〜50代女性の来店割合が7割
リクルートが運営する美容に関する調査研究機関『ホットペッパービューティーアカデミー』が、美容サロンにおけるインバウンド需要の最新動向を発表した。美容サロンは、美容室、理容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロン。
目次
市場規模は197億円から445億円へ
美容サロンのインバウンド市場規模は、2024年の197億円から2030年には445億円へ拡大すると推計した。全国1,373の美容サロンを対象に実施したアンケート調査と政府統計などをもとに算出した。
インバウンド客の中心は、30〜50代女性が中心
直近1年以内に来店したインバウンド客の利用状況を調べたところ、国内の美容サロンを訪れるインバウンド客の出身国のトップ3は、中国、アメリカ、韓国。性・年代別では、30~50代女性の来店割合が突出して高く、この層が現在のインバウンド利用の中心となっていることがわかった。
地域別のインバウンド集客
1サロンあたりの来店頻度については、インバウンド需要の高い地域ほど来店客数も多い傾向が見られ、年間の平均客数は、地方のサロンが0.56人に対し、都市圏中心地では3.97人。7倍もの開きがあり、都市部に店舗があること自体がインバウンド集客に好影響を及ぼしていることがわかった。
来店のきっかけ
ヘアサロンに来店したきっかけの最多は、「たまたま通りかかって」が3割を占め、立地が集客に影響している様子がうかがえる。一方、リラクゼーション・エステサロンに来店したきっかけの最多は、「HOT PEPPER Beauty」で4割。サロン探しにおいてオンライン予約・検索サービスが重要な役割を果たしていることがわかる結果に。「地図アプリ/Googl検索」の影響も大きく、ヘアサロンもリラクゼーション・エステサロンもいずれも3割近く。Web上での検索性や露出の強化が、来店機会の創出につながっていると考えられる。
美容サロンでインバウンド集客を強化するには?
美容サロンにおけるインバウンド集客の動向調査を通じ、同社は次のように考察している。
サロンへの調査やインタビューによりインバウンド対応のしやすさは、「立地」「施術内容」「客単価」といったサロンの特性によって大きく異なることが分かりました。特に、立地の影響が大きく、都市圏や観光地に位置するサロンほどインバウンド客を獲得しやすい傾向が見られます。また、インバウンド集客実績のある美容サロンへのヒアリングから、施術内容によってもインバウンド対応のしやすさは変わり、施術がシンプルで説明が容易なサロンほど、言語の壁を越えたスムーズな対応が可能となることが確認されました。こうした背景を踏まえると、まずはコスト・負担が小さな施策から始め、効果を見極めながら段階的に投資を行う戦略も有効だと考えます。
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