企業の販促にも「めじるしチャーム」、ブーム捉え活用広がる 〜日清・エスビー食品・サンリオなど〜
傘やペットボトル、文具など、自分の持ち物の目印として取り付ける「めじるしチャーム」が、若者を中心に人気を集めている。キャラクターを始めとしたさまざまなデザインが登場し、本来の目印としての用途を超え、推し活や持ち物のデコレーション、自己表現を楽しむアイテムへと進化。こうした人気を受け、企業が購入特典やキャンペーン景品、リピート促進などの販促に活用する動きが出ている。ヘルスケア業界での活用例はまだ多くないが、日常的に持ち歩く健康・美容アイテムとの親和性は高い。女性たちの「つけたい」「集めたい」を捉えた、新たな販促ツールとして活用を検討してみては?
目次
めじるしチャーム人気、2025年から急拡大
「めじるしチャーム」とは、シリコンリングが付いた小さなチャームのこと。傘やペットボトル、文房具、ポーチなどに取り付けて、自分の持ち物の目印にする。「目印アクセサリー」などとも呼ばれ、キャラクターや食品、企業の商品パッケージなど、多彩なデザインが登場している。
カプセルトイとしても数多く展開され、数百円程度で気軽に購入できることに加え、何が出るか分からないエンタメ性もある。小さいため複数を付けやすく、その日の気分や季節に合わせて付け替えたり手軽に持ち運べるのも魅力だ。SNS投稿や推し活との相性もよく、小さなチャームで「自分の好き」を表現できることも、人気を押し上げている。
ネット上には、「仕事中の自分のペットボトルに付けまーす!」「ちっこくてカワイイ」「メイベリンのリップケースほしい。これめじるしチャーム付けられそうじゃん」などの声が並ぶ(Yahoo!リアルタイム検索で「めじるしチャーム」を検索)。その人気ぶりは、Googleトレンドにも表れている。「めじるしチャーム」の検索関心度は25年から上向き、26年に入ってさらに加速。足元でも伸びが続いている。
カプセルトイ市場の拡大が追い風に、Z世代トレンド1位
めじるしチャームの広がりを後押ししているのが、カプセルトイ市場の成長だ。日本カプセルトイ協会によると、25年の製造元出荷ベースの市場規模は1860億円。前年度の1410億円から39%増となった。21年頃から主流となった店舗型カプセルトイ専門店の出店は全国的に増えており、今年1月時点での店舗数は900以上に上るという。キャラクターだけでなく、食品や日用品、企業の商品パッケージなど、めじるしチャームはデザインの多様化も進み、カプセルトイ市場で人気カテゴリーの一つとなっている。
若年女性のトレンド調査でも、その人気ぶりは鮮明だ。10~20代女性1000人を対象にした「2026年上半期Z世代トレンドランキング(Creative Group)」では、めじるしチャームが「モノコト部門」の1位を獲得。Instagramでは、「#めじるしアクセサリー」の投稿数が今年6月1日時点で2万件を超えた。推し活アイテムとして使ったり、撮影しためじるしチャームをSNSに投稿するといった楽しみ方も広がっている。
シリーズを全種類そろえる「コンプリート」も、めじるしチャームの楽しみ方だ。マイナビニュースが実施した調査では、めじるしチャームの所有者の50.9%が、「コンプリート」を経験していた。本来の用途である「自分の持ち物の目印にする」という実用性を超え、好きなキャラクターを集めるといったコレクションアイテムとしての楽しみ方も、人気を支える要素になっているようだ。
企業の販促にも広がる、購入・再来店を後押し
こうした人気を背景に、めじるしチャームを販促に活用する企業が増えている。購入特典やキャンペーン景品、再来店を促す限定ノベルティなど、その活用方法はさまざま。「つけたい」「集めたい」という生活者心理を捉え、購買やブランドとの継続的な接点づくりにつなげている。
購入を促進、購入金額に応じてプレゼント(サンリオ)
サンリオは今年3月、屋内型テーマパークのサンリオキャラクターズ ドリーミングパーク(福岡)で、グッズ購入者を対象にオリジナルの「めじるしチャーム」をプレゼントするキャンペーンを実施した。3000円以上の購入で、ハローキティやシナモロール、クロミなど人気キャラクターをデザインした全8種からランダムで1個を進呈。一定金額以上の購入特典に限定アイテムを採用し、購買を後押しする販促に活用した。
再来店を促進、3回購入でプレゼント(鶴屋吉信)
全国で菓子店を展開する老舗京菓子司の鶴屋吉信は今夏、対象店舗でかき氷を3回注文した人に、非売品のオリジナルアンブレラマーカー(傘の持ち手につけるめじるしチャーム)をプレゼントするキャンペーンを実施した。前年にも同様の企画を実施し、予想を上回る反響だったことから、今年は対象店舗を拡大した。1回の購入で進呈するのではなく3回の利用を条件とすることで、限定ノベルティを再来店やリピート購入につなげた。
商品をミニチュア化、キャンペーン参加を促進(エスビー食品)
エスビー食品は、周年記念でめじるしチャームを活用。スパイスとハーブの専門ブランド「SPICE&HERB」シリーズの発売20周年キャンペーンで、「ミニチュアめじるしチャーム」を景品に採用した。実際の商品パッケージを再現した全4種を制作し、応募者から抽選で40人にプレゼント。身近な商品をチャーム化することで、キャンペーンへの参加を促すとともに、日常生活の中で商品を身につけてもらうことでブランド接点をつくった。商品パッケージ自体が販促資産になるという、めじるしチャームならではの活用例だ。
周年企画に活用、キャラクターでファンとの接点強化(松竹)
松竹も周年企画にめじるしチャームを活用した。「松竹歌舞伎屋本舗 東京本店」が今年5月に15周年を迎えるのに合わせ、購入者向けのノベルティにオリジナルのアンブレラマーカーを採用。松竹とサンリオが共同開発した公式歌舞伎PRキャラクター「かぶきにゃんたろう」をデザインしたもので、全3種を用意。3300円以上の購入者に1個を進呈した。限定感のあるキャラクターグッズを、ファンとの接点づくりにつなげた。
身近な商品をチャーム化、新たな生活者との接点に(日清、不二家)
めじるしチャームを展開するバンダイは、企業の商品やブランドをモチーフにしたシリーズも手がけている。身近な食品や菓子のパッケージをミニチュア化することで、生活者が身につけて楽しめるアイテムに仕立てている。
例えば、日清食品の「カップヌードル」シリーズをモチーフにした「日清カップヌードル めじるしアクセサリー」。「カップヌードル」「シーフードヌードル」など、おなじみの商品パッケージをミニチュア化した全6種を今年1月に発売。同年7月には再販した。不二家ともコラボし、「ペコちゃん お菓子のめじるしアクセサリー」全5種を昨年2月に発売した。不二家の人気キャラクター「ペコちゃん」「ポコちゃん」に加え、「ミルキー」「ポップキャンディ」「カントリーマアム」といったロングセラー商品の菓子パッケージをモチーフに採用した。
普段はカップ麺や菓子を購入しない生活者でも、デザインへの親しみや「かわいさ」をきっかけに、めじるしチャームなら手に取る可能性がある。商品そのものの購買とは異なる入り口から生活者との接点をつくれる点も、企業がめじるしチャームを活用する上での利点だ。既存顧客との関係を深めるだけでなく、これまで商品との接点が薄かった層にブランドを認知してもらうきっかけにもなり得る。
ヘルスケア業界でも活用できる?
ヘルスケア領域でも活用は始まっている。ワダカルシウム製薬は26年、骨活の公式キャラクターの名前を募集するキャンペーンで、オリジナルのめじるしチャームを景品に採用。クリニックや美容サロンなどでも、オリジナルチャームを配布する事例が見られる。
業界全体で見ると活用事例はまだ限定的だが、ヘルスケア領域とめじるしチャームの接点はつくりやすい。サプリメントや健康食品、化粧品、スポーツグッズなどは、商品本体やパッケージをチャームのモチーフにしやすい。企業やブランドのキャラクターを活用する方法もある。また、水筒やマイボトル、日傘、コスメポーチ、リップ、歯ブラシケース、スポーツバッグなど、健康・美容にまつわる日用品には日常的に持ち歩くものが多く、チャームを取り付けて楽しめる場面は幅広い。
こうした親和性を生かせば、購入特典やキャンペーン景品、来店や継続利用を促すノベルティなど、さまざまな販促施策に応用できる。企業名やロゴをあしらったタオルやステッカーなどの定番ノベルティではなく、生活者が「つけたい」「集めたい」と思えるアイテムにできれば、配布して終わる販促品ではなく、その後も日常的に使ってもらえる可能性がある。生活者の日常に自然に入り込み、ブランドとの接点を継続的につくる販促ツールとして、ヘルスケア領域でも活用の余地は大いにありそうだ。
2026年の女性ヘルスケア市場はどうなる?
2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版 市場動.向予測 ~健康トレンド・業界動向・女性ニーズ~」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください
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