後発参入でも人気!新規客獲得のためのポジショニング戦略例

レシピサイとしてダントツの人気を誇るのはクックパッドだ。認知度も抜群に高く、レシピ数も累計242万件とレシピサイトとしては完全に独走状態だ。利用者は5,000万人、お化けサイトである。そんな絶対的な人気を誇るクックパッドよりもずっと後発参入であるにも関わらずリリースから3ヵ月で10万ダウンロードを突破したレシピアプリ「ソラレピ」が好調だという。

絶対王者がすでに存在しているにも関わらず、後発参入でもしっかりと顧客を囲い込めている同サービスからは「後発参入でも人気を集めるための工夫(ポジショニング戦略)」が見えてくる。

ソラレピはクックパッドがカバーしていない事に重点を置く

ソラレピとは、カラオケ事業を手掛けるシダックスの子会社エスアイティックス(東京・渋谷)が運営するスマホレシピで2016年1月にリリースされた。閲覧は基本無料だが、クックパッド同様にソラレピでは月額¥360を払うことでより便利な機能を使うことができる。リリースから3ヵ月で10万ダウンロードを突破し、今もなお順調に利用者数を伸ばしているとのことだが、なぜユーザーはクックパッドではなくソラレピを利用するのか?

ソラレピは後発参入であるが故、ダントツ業界1位のクックパッドには無い明確な戦略を打ち出しており、逆にそれがソラレピの強みであり、女性の支持を得る要因となっているようだ。

後発参入ソラレピの工夫

クックパッドは健康に重点を置いているというよりも「毎日の食メニューを考える手間を省くヒント満載の主婦目線のレシピサイト」という部分に重点が置かれている。利用者5,000万人という数字からも「万人ウケ型」の戦略をとっていることが分かる。

対してソラレピは「健康意識・食意識が高い人」という明確なターゲットを設定している。万人ウケ型ではないので必然的にクックパッドのユーザー数を超えることは無いかもしれないが、明確なターゲット設定により、高い顧客ロイヤリティを維持できるのだろうと想定できる。

ソラレピの工夫している点を見てみよう。( )内はクックパッドサービスの特徴。比較してご覧頂きたい。

  • レシピ案は同社グループの栄養士たちから募集(主婦のレシピが中心)
  • その中から実際に調理・試食し一部メニューのみを採用(自由投稿型)
  • 全メニューは栄養重視、「くすみ」「美肌」などカテゴリごとに検索できる(食材ごとの検索が主流)
  • 料理ごとにカロリー、栄養素の量まで記載する(栄養素の記載は合っても具体的な量に関しては記載無し)
  • メニューごとに栄養士のコメントが入る(主婦目線で「簡単」「おいしい」「おつまみに」といったコメントが中心)
  • 味の担保を栄養士が行う(味の担保は特になく、投稿者本人に任せる)
  • 調理時間は30分以内のレシピのみを掲載(時間へのこだわりは特になし)
  • 複雑な工程にはアニメーションや画像で補足解説で分かりやすく(レシピ解説の方法や分かりやすさなどは投稿者次第)
  • 作る人数分ごとに用意すべき材料を記載してくれている(投稿者次第なので1人用の場合もあれば複数人用の場合もあり)
    (参考:日経MJ 2016年7月6日)

 

明確なポジショニング戦略で新規顧客を確実に獲得していく

冒頭のなぜユーザーはクックパッドではなくソラレピを利用するのか?」の答えは単純に「クックパッドにはない魅力がソラレピにはたくさんあるから」という、ただそれだけのことだ。前述の2社のサービスの比較を見て分かることは、後発参入のソラレピはクックパッドとは明確にポジションを分けているということ。

ポジショニングをずらすことで自社商品・サービスの価値を際立たせる。ポジショニング戦略で見事に成功していると言える事例だ。

クックパッドは今ある手持ちの食材からレシピ検索ができるため、レシピのために食材を用意しなくてはいけない面倒を省ける。

対しソラレピは、ソラレピが提案するメニューをつくるために食材を用意しなければならず、少々面倒だ。

しかし、健康意識が高い女性や、自身や家族の病気予防・進行予防のためにカロリー制限や減塩などが必要な女性にとっては非常に便利なサービスだ。以前ウーマンズラボでも「クックパッドにそういった機能が加われば完璧なサービスになるのでは!」という記事を書いているが、まさにそれを体現したのがソラレピだ。

後発でも新規顧客を獲得する3つのポイント

それは、以下ではないだろうか。

  • 他社にはない明確な魅力・差別化ポイントを最大の強味として設定すること
  • 社会背景やトレンド、ニーズを反映する(今回の事例では、「働く女性増加による時短ニーズ」「高まる健康意識」など)
  • 上記2点を考慮した上でポジショニング戦略を決定すること

既存商品・サービスの見直しにも、新規開発の際にもぜひこの点を考慮してマーケティング戦略を考えてみよう。市場がすでに複数社に独占されている場合は特に必須だ。

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