ベビーテックで子育てはどう変わる?市場への影響と日本企業の商品例(3/3)
ベビーテックが与える影響と商品例
ベビーテックの好影響は家庭だけでなく保育施設や医療施設にも広がり、世の中全体を子育てしやすい環境に変える可能性も秘めている。
ベビーテックが女性のライフスタイルに与える影響
<家事も育児も夫婦でシェア>
ミルクの温度調節や体温変化の見守り機能を持つベビーテックは、いつも育児をしている人しか知り得ない・分かり得ない情報を「見える化」する。レシピを見て料理をするようにベビーテックを使って育児ができるのだ。子育てシェアの実現性を簡単に高めることができるため、家事も育児も夫婦でシェアしやすくなり、ワンオペ育児の解消にもつながることが期待できる。
<子育てしやすい世の中でワークライフバランスを実現>
ベビーテックの導入は、家庭の中だけでなく保育施設や託児所にも効果的。これまで直接確かめていた子ども一人一人の経過記録や午睡時のチェックも効率化され、楽に行うことができる。また最近では近くの小児科を検索できるサービスも登場。急な体調不良を起こしやすい子どもを育てる親の強い味方だ。このように子育てしやすい環境が整備されていくことで育児負担が分散され、難しい子育て期の女性のワークライフバランスもとりやすくなる。ベビーテックの充実により、仕事と育児の両立に悩む女性が減っていくのではないだろうか。
日本企業によるベビーテックの商品例
<ルクミー午睡チェック>
取り付け型の小型センサー。パジャマや肌着に装着し「うつぶせ寝」や「体動停止」を感知し、異常があるとアラーム音で知らせてくれる。タブレットで管理するためチェックシートもかさばらず、管理記録もプリント出力で簡単に残すことができる。「BabyTech Award Japan 2019」安全対策部門の優秀賞にも選ばれた。
<パパっと育児@赤ちゃん手帳>
こどもの毎日の生活記録をアイコンタップを使って簡単に登録できる、育児日記アプリ。登録した記録はグラフなどで統計表示され、こどもの生活状況と成長が「見える化」される。赤ちゃんの声を解析し、どうして泣いているかを読み解く「泣き声診断」もある。モニターによる評価では、正答率が80%だったという。
<社会体験アプリ「ごっこランド」>
未就学児~小学生向けの社会体験アプリ。同社によると310万ファミリーが利用しているとのこと。様々な業種の企業が参画しており、こどもは多くの職業を知ることができる。
ベビーテックを育児の味方に
厚生労働省は社会全体での子育て支援を推進している。女性側のみの大きな子育て負担が、子どもが安全にのびのびと育つための代償になってはならない。ベビーテックは育児全般をサポートし子育てのマニュアル化を実現することで、父親や周囲の人たちの育児参加も促進できる。ベビーテックの普及は、待機児童問題、ワンオペ育児問題、働く女性の育児と仕事の両立問題、ダブルケアラー問題など多くの課題解決につながるはずだ。社会の期待は大きい。
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