「子育てと仕事の両立」のために女性が求める、3つのこと
子育てと仕事の両立支援に向け企業は今後、テレワークなど従業員が柔軟な働き方ができるよう、環境整備の義務が課される。企業の現状や子育てをしながら働く女性たちのニーズを、子育て支援サービスのBABY JOB(大阪)が調査した(調査対象:女性1,291名、男性195名)。
目次
子どもの存在が仕事観に影響
子どもが生まれて働く意識が変わった、9割
子育てをしながら働く男女に「子どもが生まれてから働くことに対する意識が変わったか?」と聞いたところ、男女ともに約9割が「変わった」と回答した。男女問わずほとんどの人が、子どもの存在が仕事観に大きく影響を与えていることが明らかになった。
どんな意識変化があった?
具体的な意識の変化について女性に尋ねたところ、最多は「できる限り残業をしなくなった」で49.9%、「時短勤務に変更した」49.0%、「仕事の効率を重視するようになった」40.4%と続いた。短時間で生産性を高めようとする女性の意識が見えてくる。
子どもが生まれてキャリアを諦めた女性、男性の2倍
子どもが生まれてからの変化として、「キャリアアップを諦めた、もしくは目指さなくなった」人は、男性が11.8%であるのに対し、女性は19.4%。出産を機にキャリアを諦めている女性は男性の約2倍いることがわかった。
「働き方の環境を整えてほしい」5割
企業は今後、子どもが3歳になるまでの間、従業員がテレワークを活用できるよう努力義務が課される他、3歳から小学校入学前までテレワークや始業時刻の変更、短時間勤務などから2つ以上導入することが義務付けられるが、現時点での実態はどうなのか?
「テレワーク」と「フレックスタイム勤務」について、自身の働く会社で導入されているかを女性に尋ねたところ、「テレワーク」が導入されていると回答した人は33.8%、「フレックスタイム」は26.5%にとどまった。「テレワーク」が導入されていないと回答した女性のうち「環境を整えてほしい」と思っている人は50.2%と半数以上に上り、多くの職場で環境整備が進んでいない実態が明らかになった。
子育てと仕事の両立のために保護者が求める、3つのこと
続いて「仕事と育児の両立をするにあたって、どのような支援があると嬉しいか?」と女性に質問したところ、「経済的負担の軽減」「身体的負担の軽減」「職場環境の改善」に関する意見が多く挙げられた。以下は自由回答の一例。
1.経済的負担の軽減
- パートだと仕事をしてもそのお金がすべて保育料に消えるので支援をしてほしい(1歳の保護者)
- 子どもが急な熱や風邪で保育園に預けられない時の病児保育の料金をもう少し引き下げてほしい。または欠勤の理由が子供の病欠の場合は、少しでも良いので給料補助がほしいと思っています(1歳の保護者)
2.身体的負担の軽減
- 子どものお迎え〜夕飯、入浴介助などを代わりにしてくれる支援があると嬉しい。日常的にベビーシッターを使うのは高いので、無料で利用できる制度があると助かる(0歳、2歳の保護者)
3.職場環境の改善
- 子どもの体調不良時に使用できる休暇制度がほしい。時短勤務が3歳以降は会社の努力義務というのは酷い。3歳になったからフルタイムに戻れると思われてるのが不思議でならない。努力義務である以上、会社は努力してくれないし、そうなればパートにならざるを得なくやるせない(1歳、3歳の保護者)
- 出勤時間を好きな時間に調整できるようにして欲しい。また小さいうちは体調を崩しやすいため、多めに休みが欲しい(2歳の保護者)
- 企業のテレワークや時短勤務を努力義務ではなくしっかり義務化して欲しい。放課後の預かり先の問題や子どものほうが親より遅く出ていくため子どもが戸締りをしないといけないなど、安心して仕事のできる環境ではないので、早急に手助けして欲しい(2歳、5歳の保護者)
- フレックスタイム制を中小企業にも拡まる取り組みをしてほしい(0歳、2歳、4歳の保護者)
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