クアオルトとは?ヘルスツーリズムとの違い、日本型と活用企業の事例(1/3)

ドイツが生み出した自然を活用した治療手法クアオルトが、健康志向の高まりをみせる日本でも注目されている。医療が進歩した今日、あえて自然の力を使って、人間が本来持っている自然治癒力を取り戻すクアオルトは、健康促進だけでなく健康寿命の延伸にも効果的。地域資源と繋がることで新たな価値を生み出すクアオルトの可能性とは?

クアオルトとは?

自然を活用して治癒力を高めることを目的としたドイツ発祥の「クアオルト」。自然や人々との交流を楽しみながら自然の力で健康を目指す治療手法は、ドイツにおける一般的な健康づくりの一つとして定着している。日本ではまだ認知こそ低いものの、承認を行う協議会のもと取り組む自治体は少しずつ増えつつある。

クアオルトはドイツ語で「療養地」

クアオルトの意味

クアオルトとは、ドイツ語のクア(Kur:治療・療養、保養のための滞在)とオルト(Ort:場所・地域)を組み合わせてできた言葉で「療養地」を意味する。ドイツでは、国が指定する基準をクリアして認定された特別な地域(基本的には自治体)のことを指し、そこでは次の4つの療養要因で医療保険を適用することができる。

  • <療養要因>
    医療保険が適用される療養要因は以下の4つ。いずれも疾病を治療・緩和・予防する効果を持った“自然の治療薬”のことを指している。
    ┗土壌:土に由来する温泉・蒸気・泥等
    ┗気候:太陽光線や清浄な空気などの気候
    ┗海:海に由来する海水・海風・海の泥等
    ┗クナイプ式:クナイプ牧師の手法(※)
    (※)クナイプ式とはクナイプ牧師が自身の結核を治癒させた手法を体系化したもの。人が本来持つ自然治癒力に着目し、「水療法」「運動療法」「植物(ハーブ)療法」「食事療法(栄養)」「秩序療法(生活のバランス)」を5つの柱として、自身の自然治癒力を引き出し高める治療手法。

クアオルトの数

ドイツのクアオルトの数は、2007年時点で以下。

  • 土壌:温泉が157箇所、泥・蒸気の場所が56箇所
  • 気候:68箇所
  • 海:91箇所
  • クナイプ式:68箇所

なかには複数の療養要因で認定を受けている場所もあるため、計436称号374箇所となる。ちなみに温泉でのクアオルト認定が最も多いが、源泉だけでは認定とはならない。

認定者

クアオルトの品質は「クアオルトの概念規定」により保証される。1937年に決定したのち改正を重ね、現在では第12版。クアオルトの認定は、この概念規定により連邦の州等が各々制定したクアオルト法に基づき設置された特別委員会が行っている。州等が認定したものは国が認定した事とみなされるため、一般的に「クアオルトは国が認定した」と言われている。

クアオルトが有する施設例

クアオルトは、4つの療養要因を使って治療するための施設を有する。その例はクアパーク(保養公園)やクアハウス(保養交流施設)、テルメ(温泉施設)とさまざま。クアハウスではコンサートホールやレストラン、図書館など滞在中に人々が交流するための施設が備えられ、交流を促進している。温泉のクアオルトであるテルメのほとんどでは、体温以下の水温で水着を着用して男女一緒に利用することができる。また飲用可能な泉質の場合、温泉が飲めるトリンクハレ(飲泉所)も設置されている。

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