朝風呂ニーズ上昇中 需要つかむスーパー銭湯(1/2)
朝風呂を楽しむ人が増えたのは、朝活ブームが到来した2009年以降。健康ブームや働き方改革も相まって人々の関心は夜時間よりも朝時間の充実へ移り、朝時間を楽しむのにうってつけの朝風呂は人気が右肩上がりのようだ。この需要をつかみ、朝風呂を提供するスーパー銭湯も続々登場。朝風呂の魅力ってなんだ?みんなどんな時に朝風呂するの?
目次
朝活にもってこい! 朝風呂ニーズ上昇中
年々高まる“朝風呂”への関心
2009年以降、「朝風呂」への関心は「朝活」と並行して年々高まっている。朝活ブームの到来により、朝活として風呂を楽しみたいニーズが生まれたようだ。
背景にあるのは、ストレスの増大や慢性疲労。ストレス解消・リラックス・心身のケアを、風呂に求める人が増えてきている。プラネット(東京・港)が実施した「入浴に関する意識調査」を見てみると、入浴時間を「体の疲れを癒す時間」「リラックスする時間」と捉えている人は多い。また働き方改革や時短ニーズの高まりで、効率良く高パフォーマンスで動ける体作りを目指す人が増えていることも、朝風呂ニーズの要因の一つと考えられる。
朝風呂ならではのメリットを享受、ニーズ高まるシーンは?
<心身を目覚めさせたい>
朝の熱めの“シャワー浴”は交感神経の働きを活発にして、心身を目覚めさせる効果がある。東京ガス都市生活研究所は、同じ温度・時間でのシャワー浴と全身浴後の血圧変化を調査(東京ガス「【お風呂のはなし5話】爽快! 目覚めには朝シャワー」)。全身浴では血圧が下がったのに対して、シャワー浴では血圧上昇の効果がみられた。仕事前の熱いシャワーはもってこいだ。
<臭いを流したい・予防したい>
朝のシャワーで体臭を予防できる。汗をかく夏や、頭皮の匂いや加齢臭が気になりだす中年以降でのニーズが高い。東京ガス都市生活研究所は、朝シャワーを行った場合と行わなかった場合での、一日の皮脂量の変化をチェック(東京ガス「【お風呂のはなし6話】夏の気になる臭いに! 朝シャワーで体臭予防」)。朝シャワーを行った場合は、行わなかった場合の約半分程度に抑えられ、その抑制効果は夕方まで続いた。
<寝ている時にかいた汗を流したい>
寝汗を流したいというニーズもある。特に暑い季節は、寝ている時にかいた汗で髪の毛や肌がベタベタしたり臭いが気になるからだ。
<リラックスしたい>
夜の入浴とはまた別の雰囲気や気分で楽しめるのが朝風呂の魅力。普段は忙しいはずの朝に風呂を楽しめるのは、日常から離れた贅沢な時間。リラックス効果も期待でき、おこもり美容の一環で朝風呂をする女性も。
<朝の運動後にさっぱりしたい>
朝活ブームで、朝早起きをして運動をする女性たちもいる。仕事前や休日の早朝に自宅周辺でジョギングをした後に、自宅に戻り朝風呂でサッパリ。あるいは、早朝営業をしているヨガやフィットネスクラブで体を動かす女性もいる。その場合は、施設併設のシャワーや入浴施設で朝風呂だ。
<朝方まで遊んだ後にさっぱりしたい>
朝まで飲んだり遊んだりした後に、朝風呂でさっぱりしたいというニーズも。特に女性は化粧、ヘアスプレー、日焼け止めなど体にさまざまな化粧品を塗布していて、朝は体も顔もベタベタ。自宅に戻り就寝前に風呂に入る(シャワーを浴びる)、あるいは帰宅前にスーパー銭湯で風呂に入る。週末ならではのこのニーズに応えようと、週末と祝日だけ朝風呂営業している店舗もある。
<温泉旅行の朝時間を楽しみたい>
朝風呂の最高峰といえば、温泉旅行。普段は朝風呂の習慣がない女性も、この時ばかりは楽しむ人は多い。リラックス効果、リフレッシュ効果、癒し効果は抜群だ。
冬の朝風呂は危険、朝風呂のデメリット
これだけニーズの高い朝風呂だが、季節によっては注意が必要。特に冬の朝風呂は危険だ。寒い冬の朝に熱いお風呂に入ると血圧が上昇するため、心臓に負担がかかり人によっては心臓発作を引き起こす可能性も。また、冷えた脱衣所とあたたかい浴室の室温の温度差は、ヒートショックを招く危険性もある。冬の朝風呂では「脱衣所をあたためておく」「目覚めてから時間をおいて入浴する」「温度設定を上げすぎない」といった工夫が必要だ。