朝風呂ニーズ上昇中 需要つかむスーパー銭湯
朝風呂を楽しむ人が増えたのは、朝活ブームが到来した2009年以降。健康ブームや働き方改革も相まって人々の関心は夜時間よりも朝時間の充実へ移り、朝時間を楽しむのにうってつけの朝風呂は人気が右肩上がりのようだ。この需要をつかみ、朝風呂を提供するスーパー銭湯も続々登場。朝風呂の魅力ってなんだ?みんなどんな時に朝風呂するの?
目次
朝活にもってこい! 朝風呂ニーズ上昇中
年々高まる“朝風呂”への関心
2009年以降、「朝風呂」への関心は「朝活」と並行して年々高まっている。朝活ブームの到来により、朝活として風呂を楽しみたいニーズが生まれたようだ。
背景にあるのは、ストレスの増大や慢性疲労。ストレス解消・リラックス・心身のケアを、風呂に求める人が増えてきている。プラネット(東京・港)が実施した「入浴に関する意識調査」を見てみると、入浴時間を「体の疲れを癒す時間」「リラックスする時間」と捉えている人は多い。また働き方改革や時短ニーズの高まりで、効率良く高パフォーマンスで動ける体作りを目指す人が増えていることも、朝風呂ニーズの要因の一つと考えられる。
朝風呂ならではのメリットを享受、ニーズ高まるシーンは?
<心身を目覚めさせたい>
朝の熱めの“シャワー浴”は交感神経の働きを活発にして、心身を目覚めさせる効果がある。東京ガス都市生活研究所は、同じ温度・時間でのシャワー浴と全身浴後の血圧変化を調査(東京ガス「【お風呂のはなし5話】爽快! 目覚めには朝シャワー」)。全身浴では血圧が下がったのに対して、シャワー浴では血圧上昇の効果がみられた。仕事前の熱いシャワーはもってこいだ。
<臭いを流したい・予防したい>
朝のシャワーで体臭を予防できる。汗をかく夏や、頭皮の匂いや加齢臭が気になりだす中年以降でのニーズが高い。東京ガス都市生活研究所は、朝シャワーを行った場合と行わなかった場合での、一日の皮脂量の変化をチェック(東京ガス「【お風呂のはなし6話】夏の気になる臭いに! 朝シャワーで体臭予防」)。朝シャワーを行った場合は、行わなかった場合の約半分程度に抑えられ、その抑制効果は夕方まで続いた。
<寝ている時にかいた汗を流したい>
寝汗を流したいというニーズもある。特に暑い季節は、寝ている時にかいた汗で髪の毛や肌がベタベタしたり臭いが気になるからだ。
<リラックスしたい>
夜の入浴とはまた別の雰囲気や気分で楽しめるのが朝風呂の魅力。普段は忙しいはずの朝に風呂を楽しめるのは、日常から離れた贅沢な時間。リラックス効果も期待でき、おこもり美容の一環で朝風呂をする女性も。
<朝の運動後にさっぱりしたい>
朝活ブームで、朝早起きをして運動をする女性たちもいる。仕事前や休日の早朝に自宅周辺でジョギングをした後に、自宅に戻り朝風呂でサッパリ。あるいは、早朝営業をしているヨガやフィットネスクラブで体を動かす女性もいる。その場合は、施設併設のシャワーや入浴施設で朝風呂だ。
<朝方まで遊んだ後にさっぱりしたい>
朝まで飲んだり遊んだりした後に、朝風呂でさっぱりしたいというニーズも。特に女性は化粧、ヘアスプレー、日焼け止めなど体にさまざまな化粧品を塗布していて、朝は体も顔もベタベタ。自宅に戻り就寝前に風呂に入る(シャワーを浴びる)、あるいは帰宅前にスーパー銭湯で風呂に入る。週末ならではのこのニーズに応えようと、週末と祝日だけ朝風呂営業している店舗もある。
<温泉旅行の朝時間を楽しみたい>
朝風呂の最高峰といえば、温泉旅行。普段は朝風呂の習慣がない女性も、この時ばかりは楽しむ人は多い。リラックス効果、リフレッシュ効果、癒し効果は抜群だ。
冬の朝風呂は危険、朝風呂のデメリット
これだけニーズの高い朝風呂だが、季節によっては注意が必要。特に冬の朝風呂は危険だ。寒い冬の朝に熱いお風呂に入ると血圧が上昇するため、心臓に負担がかかり人によっては心臓発作を引き起こす可能性も。また、冷えた脱衣所とあたたかい浴室の室温の温度差は、ヒートショックを招く危険性もある。冬の朝風呂では「脱衣所をあたためておく」「目覚めてから時間をおいて入浴する」「温度設定を上げすぎない」といった工夫が必要だ。
朝風呂サービス提供、スーパー銭湯の事例・料金
自宅での朝風呂でもちょっとした特別感があるが、スーパー銭湯なら特別感は格別。施設それぞれのサービスを受けられるのが魅力だ。
極楽湯
海外にも店舗をもち、日本一の店舗数を誇る「極楽湯」は、現在53店舗を展開。“お風呂”“お食事”“リラクゼーション”を三本柱に、日常生活の延長線上にある上質な場を目指している。食事とリラクゼーションは店舗ごとに異なるが、基本的には内湯と露天風呂、サウナを完備し、韓国式あかすりや整体を提供。なかにはホワイトニングを実施する店舗も(多摩センター店)。映画やキャラクターとのコラボも行っており、2019年の夏は“ぐでたま×極楽湯”のキャンペーンを実施。限定のコラボメニューやコラボグッズを販売し、ぐでたまをイメージしたコラボ風呂も登場した。店舗により営業時間が異なるものの、朝から営業する店舗がほとんど。早い店舗だと朝の6時から営業を開始している。(青森店)
- 朝風呂の営業時間:朝風呂として明確に区切ってはいない(営業開始は午前6時~午前10時)
- 朝風呂の料金:通常料金と同様(約400円~1,000円)※店舗により異なる
- URL:https://www.gokurakuyu.ne.jp/index.html
竜泉寺の湯(宮城県)
「竜泉寺の湯」では、血管が広がることで血流を良くし健康促進効果をもたらす“高濃度炭酸泉”を導入。高濃度の炭酸ガスが溶け込んだ温泉は全国的にみても珍しく、高血圧や心臓病、糖尿病に効果的。また「竜泉寺の湯」では、全店舗で朝風呂時間が設定されており、通常料金よりも安く入浴することができる。
- 朝風呂の営業時間:営業開始~午前9時
- 朝風呂の料金:通常料金と同様(約400円~1,000円)※店舗により異なる
- URL:https://www.ryusenjinoyu.com/
ベルさくらの湯(栃木県)
「ベルさくらの湯」では“ご入浴コース”のほかに、女性にうれしい特典が詰まった“温活Cafeコース”を用意。3種類の岩盤浴や専用休憩所、ハンモック付きのリラックススペースやフリードリンクを利用できる。また平日は温活Cafeコースに、食生活アドバイザー監修の美肌効果を期待できる食材をつかった美肌メニューのついた「温活ごはんパック」も登場。食事と入浴どちらも取り入れた“温活”を楽しめる。朝風呂は、会員限定メニューとして実施している。
- 朝風呂の営業時間:午前8時〜10時(日曜・祝日を除く)
- 朝風呂の料金:平日550円/土曜650円
- URL:https://bellsakuranoyu.com/
湯の城(愛知県)
名古屋にかまえる「湯の城」は、岩盤浴とサウナが自慢。14種類の床をそなえた岩盤浴“十四健美房”や、コラーゲンの生成や美肌効果が期待できる“酵素サウナ”、ヒーリング効果の高い宝石が散りばめられた“宝石サウナ”と、心にも体にも優しいリラックス空間を提供している。営業時間は早く、朝から入浴・岩盤浴・サウナともに利用することができる。
- 朝風呂の営業時間:朝風呂として明確に区切ってはいない(営業開始は午前6時)
- 朝風呂の料金:通常料金と同様(平日:会員650円/一般700円 土日祝日:会員750円/一般800円)
- URL:http://www.p-castle.co.jp/yunoshiro/
朝風呂サービス提供、温泉の事例・料金
温泉の効能をたっぷり享受できるのは、温泉ならではの朝風呂の魅力。朝風呂を施設利用の促進につなげている事例もある。
なごみの湯(東京)
「なごみの湯」自慢の黒湯温泉は、ゆっくり入浴することで温浴効果が一層高まり、湯冷めしにくいと評判。宿泊プランもあり、簡易ホテルとしても利用できる。塩サウナやアロマサウナのほか女性専用のレストルームと岩盤浴も完備。アメニティも豊富で手ぶらで立ち寄れるのも嬉しい。朝風呂で利用する際には、早朝割引サービスを活用できる。
- 朝風呂の営業時間:午前5時~8時30分
- 朝風呂の料金:平日1,250円/土日祝・特定日1,450円
- URL:https://www.nagomino-yu.com/
天成園(神奈川)
箱根湯本駅を最寄りとする「天成園」は、24時間営業の日帰り温泉施設。館内施設は温泉以外にもエステやマッサージ、貸し切り風呂と充実している。早朝から営業している朝風呂は、通常価格の2,300円よりもリーズナブルに利用できる。
- 朝風呂の営業時間:午前6時~9時
- 朝風呂の料金:1,500円
- URL:https://www.tenseien.co.jp/
堺浜楽天温泉 祥福(大阪)
大小18種類の温泉が楽しめる「祥福」では、天然温泉のお湯に“人工炭酸”を加えている。こうして出来た人工炭酸泉は、血行促進や慢性疲労への対策として効果的。土日祝日のみ朝風呂営業を実施している。
- 朝風呂の営業時間:午前6時~9時
- 朝風呂の料金:650円
- URL:http://www.syofukunoyu.com/sakaihama/
宇治天然温泉 源氏の湯(京都)
血流促進効果の高い“ナノ高濃度炭酸泉”と、美肌効果が期待できる“漢方薬草塩スチームサウナ”が特徴。和風テイストのうたた寝スペースやロフト型式の畳コーナーもあり、ゆったりとした時間を過ごせる。朝風呂は土日祝日のみ実施しており、朝風呂時間が終了しても+400円で滞在を続けることが可能。
- 朝風呂の営業時間:午前6時~9時
- 朝風呂の料金:600円
- URL:http://genji-yu.jp/index.html
SNSで盛り上がる、“朝風呂”投稿
朝活ブームの到来とともに、SNSにおける朝風呂に関する投稿も盛り上がりを見せている。投稿は「自宅」での朝風呂よりも「温泉旅行」の一風景としてあげられたものが多く、「景色」や「湯の張った温泉」を映したものが目立つ。日課やルーティンというよりは、朝活は“少し日常から離れた贅沢な瞬間”というイメージが強いのかもしれない。
お風呂に浸かりながら一服タイム☕️#朝風呂#朝活#早起きチャレンジ pic.twitter.com/qpnP2JHVz3
— ポジ子@Be Positive (@BePosit60373158) January 11, 2020
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