パナソニック、フェムテック事業に新規参入 月経周期の把握技術を発表
パナソニックは今月3日、女性の腹部周辺の衣服内温度の計測により、月経周期を把握できることを実証したと発表した。日本大学工学部電気電子工学科の村山嘉延准教授と共同で行ったもので、2025年中の実用化を目指す。実現すれば、フェムテック事業への参入は初となる。
実証は44人の女性(平均年齢39.0±6歳)を対象に行った。ウェアラブルデバイスを下着に装着し、睡眠中に衣服内温度を測定。並行して、従来の舌下温による基礎体温計で基礎体温も測った。その結果、衣服内温度も基礎体温と同様に低温相と高温相の二相性パターンを確認できた。
衣服内温度とは、衣服と皮膚の間で計測する温度のこと。腹部周辺の衣服内温度は、衣服や布団により肌が外気に晒されないため、体内深部温度に近いという。衣服や布団、エアコンなどの影響から、季節による計測条件の違いでデータにばらつきは出るものの、冬と夏それぞれでの検証においても二相性パターンを確認できたことから、通年の使用が可能だとしている。
本メディア記者が、「本デバイスは、基礎体温計の代替となるものなのか?妊活をしている女性や不妊治療中の女性にとっては特に、計測結果の精度が非常に重要になってくるが、そういった女性たちも正確性の面から信頼して使えるものなのか?」と質問したところ、同社の技術開発担当者は、「基礎体温計の完全なる代替品という位置付けではない」と回答。「自分の排卵日を知らない女性も多い。低温期と高温期を知ることで、自身の月経リズムの把握や健康管理のきっかけにしてほしい」との考えを示した。
本デバイスは、ユーザーが月経リズムの把握を手軽に習慣化することをサポートするもので、起床後にデバイスの転送ボタンを押すだけで、データがスマホアプリに送られるという仕組み。就寝前のデバイスの装着を忘れてしまえば、もちろん計測はできないが、起床時に安静な状態を保ちながら舌下温での測定が終わるのを待つという従来の面倒はなく、朝の計測を忘れてしまうといった課題も解決する。
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