instagram企業アカウント 〜ヘルスケア企業の運用事例5選〜(1/3)
企業アカウントを開設しマーケティングツールとして活用しているSNSといえば、王道はLINE、Facebook、Twitter、Instagram。この4大SNSの中でも特に運用が難しく、苦戦している企業が多いのがInstagram。特に若い世代を狙っている企業にとっては欠かせないSNSだが、世界観をうまく表現できなければ人気アカウントへとは成長できず、成功している事例は多くない。「女性に好まれる世界観って、具体的にはどんな感じ?」「世界観で勝負できないなら、どうやって活用すればいいの?」ーそんな悩めるマーケターに向け、ウーマンズラボ編集部が、美容・健康系企業(またはブランド)の人気アカウントを調査。各アカウントの世界観や投稿スタイルの特徴を探ってみた。
目次
Instagramとは?
Instagram、人気の理由
インスタグラムは、世界中にユーザーを抱える無料の写真共有アプリ(2010年にリリースされ2012年にFacebookが買収)。日本語アカウントが開設されたのは2014年。投稿スタイルが最大の特徴で、「文章がメイン、時々画像・動画も投稿」というスタイルのFacebookやTwitterとは反対に、Instagramは「写真・動画の投稿がマスト(文章は写真・動画の補足程度)」。
文章ベースで投稿しなくてはならないブログやその他のSNSとは違い、面倒なくあっという間に投稿・発信・共有できる手軽さが受け、爆発的な人気を集めている。
投稿はしないが他人の写真・動画を見るだけ、というユーザーもいる。Instagram はそういったユーザーにとっても手軽で、(文章が下手であっても、長くても)読まなくてはならないブログやFacebookなどとは違い、Instagramは、写真・動画を見るだけで相手の様子がわかるので文章よりも見ていて楽しい。
特にInstagramでは世界観が重視される傾向があるので、投稿されている写真の多くはおしゃれ。スマホ写真の加工技術が進んだことも相まって、特に女性ユーザーのアカウントには、雑誌をめくっているようなクオリティーの高い写真が並び、その投稿写真からメイクやファッション、インテリア、食事の盛り付けを参考にするユーザーも多い。
国境関係なく自分が憧れる国内外の有名人と簡単につながりリアルな日常生活を観察できたり、ハッシュタグ検索で自分の知りたい情報・見たい情報に簡単にアクセスし、時には自分と同じ趣味嗜好の人を見つけてコミュニケーションできることも、ユーザーを惹きつけている魅力だ。
Instagramが生み出した新しい文化
SNSに投稿する写真として見栄えが良いことを意味する「SNS映え」「インスタ映え」という言葉・概念が誕生したのは、インスタが日本に上陸して2〜3年が経った頃。
2017年には「インスタ映え」が新語・流行語大賞にノミネートされるほどのトレンドキーワードとなり、インスタ映えする写真を撮ることを目的に買い物や外食、旅行などをするといった新しい消費スタイルが特に若い女性たちの間で起きた。
同時に、多くのフォロワーを抱え影響力のある一般女性(いわゆるインフルエンサー)が、「インスタグラマー」や「ユーチューバー」として企業や商品の広告塔となる動きが活発化したのもこの頃。
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Facebookを超えるInstagramユーザー数、4大SNS比較
国内のInstagramのアクティブアカウント数は、前年比145%増で2019年に3,300万を突破。男女比を見ると女性ユーサーが多く、女性57%、男性43%(Facebookニュースルーム「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」)。
国内の4大SNS(Facebook/Twitter/Instagram/LINE)の利用状況を比較してみよう。各SNSのアクティブユーザー数ランキングは次の通り。
- 1位:LINE:8,400万(2020.3月時点,同社公開情報より)
- 2位:Twitter:4,500万(2017.10月時点,同社公開情報より)
- 3位:Instagram:3,300万(2019.6月時点,同社公開情報より)
- 4位:Facebook:2,800万(2017.9月時点,Social Media Labより)
Instagram日本人特有の使い方とは?
とかくInstagramを始めSNSは、「投稿をする(発信する)こと」や「発信者」に焦点を当てて語られがちだが、実はSNSは「投稿する」よりも「閲覧する」ことを目的に使っている人の方が多い。
情報通信白書(総務省,平成30年版)によると、日本は他国と比べ「発信」よりも「閲覧」のためにSNSを使っている人の割合が高い。以下はInstagramの4カ国比較。
Instagramで「自ら情報発信や発言を積極的に行なっている」人は日本ではわずか4.6%で、「ほとんど情報発信や発言をせず、他人の書き込みや発言などの閲覧しか行わない」人の割合の方が高い。対し他国では、閲覧よりも発信する人の割合の方が高い(以下表、数字は%)。
日本 | アメリカ | ドイツ | イギリス | |
自ら情報発信や発言を積極的に行っている | 4.6 | 21.0 | 10.2 | 15.8 |
自ら情報発信や発言するよりも、他人の書き込みや発言を閲覧する方が多い | 8.1 | 16.7 | 9.7 | 15.7 |
ほとんど情報発信や発言をせず、他人の書き込みや発言などの閲覧しか行わない | 14.0 | 10.0 | 9.5 | 11.7 |
ほとんど利用していない | 5.5 | 6.2 | 9.4 | 7.7 |
まったく利用していない | 67.8 | 46.1 | 61.2 | 49.1 |
この行動の特徴については運営者であるFacebookも言及しており、日本の利用者はハッシュタグ検索をする回数が多く、その数はグローバル平均の3倍だという。Instagramを情報収集ツールとして活用するユーザーが多いことがわかる。