instagram企業アカウント 〜ヘルスケア企業の運用事例5選〜(3/3)
女性向けヘルスケア企業のInstagram運用、5事例
ヘルスケア業界でもInstagramの企業アカウントを運用しているところは多い。企業名でアカウントを開設するところもあれば、ブランドやターゲット属性ごとに開設するところもある。今回は、女性向け商品を扱うB to Cのヘルスケア企業でフォロワーが多い人気アカウントを5事例ピックアップ。それぞれが独自の世界観や活用を確立させていて参考になる。公式アカウント名、フォロワー数、投稿内容や世界観の特徴についてまとめた。
CANMAKE(井田ラボラトリーズ)
- 公式アカウント
canmaketokyo - フォロワー数
534,000人 - 特徴
CANMAKEは若い女性に大人気のプチプラコスメブランド。Instagramに並ぶ写真はピンクが基調、全てカラフルでポップ。メイクのハウツー動画よりもバラエティー豊富なコスメ商品を紹介する写真が多く、特にメイクに目覚める10代の中高生〜20代前半の女性が「かわいくなりたい!」「いろんなメイクを試してみたい!」「女の子であることをとことん楽しみたい!」と感じるような世界観。CANMAKEは安価であることから、コスメにお金をかけたくない・あるいはかけられない大人女性のリピーターも多いが、Instagramのフォロワーには10〜20代に多い様子。若年女性が好む「かわいい」「ガーリー」な世界観を学びたいなら、CANMAKEが参考になる。
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シュウ ウエムラ(日本ロレアル)
- 公式アカウント
shuuemura - フォロワー数
686,000人 - 特徴
シンプル&リッチな商品を展開するデパコスブランド、shu uemura。前述のCANMAKEとは正反対の世界観で、アートスティックでモダンで個性的。ターゲットもガラリと変わり、こちらはコスメを覚えたての若年層ではなく、メイクを一通り覚え経済的に安定した大人の女性を意識したつくり。例えば「メイクでクールな自分」「品の中にも華やかさのある自分」に仕上げたい女性にささる世界観でまとめられている。投稿はコスメ商品そのものよりもメイクを施したモデルの口元や目元のアップが多く、特にメイク動画の反応は高い。投稿は英語だが起用モデルはアジア人なので、実際の発色イメージは日本人女性も参考にしやすい。
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ボタニスト(I-ne)
- 公式アカウント
botanist_official - フォロワー数
63,000人 - 特徴
美容業界にボタニカル(植物)旋風を巻き起こしたボタニストは、浴室のインテリアを邪魔しない(むしろおしゃれに格上げしてくれる)シンプルなパッケージデザインと、髪の毛や肌に優しいクリーンでヘルシーなイメージが女性たちの心を掴み、瞬く間に人気ブランドへと成長した化粧品ブランド。ボタニストが発信する世界観は、商品のみならず公式サイトでもInstagramでも統一が図られ、ブランドが提案する「ボタニカルライフスタイル」をそのまま表現している。実際にInstagramの投稿写真は、植物と商品をシンプルに組み合わせたみずみずしいものが多く、「日々の生活の中に植物を取り入れて癒されたい」、そんな気持ちにさせる。
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ムーニー(ユニ・チャーム)
- 公式アカウント
moonyjp_official - フォロワー数
40,000人 - 特徴
ユニチャームの赤ちゃん用おむつブランド「ムーニー」のInstagramは、美容系アカウントのようなブランドの世界観を表現する手法ではなく、商品ユーザーとの交流を重視。ムーニーのキャラクター“ムーニーちゃん”をフル活用してキャンペーンを実施したり、ママならではの育児悩みをムーニーちゃんが投稿画面で質問しママたちが回答するなど(例:「夜泣きはどうやって乗り越えましたか?」とムーニーちゃんが質問し、先輩ママが実体験を投稿)、フォロワーを巻き込む投稿が多い。投稿写真や画像は決しておしゃれとは言えないが、育児に悩んだり疲れたママがふとあたたかい気持ちになれる世界観。ムーニーちゃんの愛らしい外見も、その“あたたかい雰囲気”づくりに多いに貢献している様子。
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アディダス(アディダスジャパン)
- 公式アカウント
adidastokyo - フォロワー数
137,000人 - 特徴
スポーツブランドらしく、アスリートらが運動に励むワンシーンを切り取ったアクティブな写真・動画が多い。ブランドのターゲットは男女両方なので、投稿写真も男性だったり女性だったりと中性的な雰囲気。ただ、投稿写真によっては男性のイメージが強く日常的なスポーツシーンも少ないので、このアカウントでは、女性が共感できる投稿はそう多くはなさそうだ。そもそも、男性と女性ではスポーツに求めていることやスポーツの楽しみ方が違うので、スポーツブランドのInstagramを運用するなら、男女別で開設する方が良い。「(プレイヤーとして、あるいは観戦者として)思い切り闘って勝敗を決める」のが男性流のスポーツの楽しみ方なら、女性は「(おしゃれなスポーツファッションやヘルシーな食事を含め)スポーツのあるライフスタイル全体」を楽しみ、さらには、スポーツの後の美容効果・健康効果を求める。この違いを踏まえると、おのずと、Instagramで共感される写真や世界観が男女で違うことがわかるだろう。
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最近の投稿は「ダイバーシティ」
女性だけにフォーカスしたスポーツブランドのInstagramなら、国外の公式アカウントだが「アディダス・ウィメン(フォロワー:289万人)」と「ナイキ・ウィメン(758万人)」が参考になる。どちらも女性に絞った公式アカウントで、健康ブームやアスレジャーブームに影響され体を動かすことにハマっている日本女性もまさに好む「スポーツのあるおしゃれな生活」が表現されている。
ちなみに、過去の古い投稿と最近の投稿を見比べると、アディダス・ウィメンもナイキ・ウィメンも最近は、年齢、体型、健常・非健常関係なくダイバーシティに富む写真が多い。ファッション業界や美容業界ではモデルの起用にダイバーシティを取り入れ消費者の支持を得ているが、この流れを汲んでいるようだ。
スポーツ、ファッション、美容の業界は他業種と比べるとダイバーシティを表現しやすい上に、Instagramでもわかりやすく伝えられる。スポーツブランドでInstagramを運用するなら、まずは男女別にかアカウントを分け、そして、女性が好む世界観とダイバーシティを取り入れることを一案として検討すると良いかもしれない。
世界観の形成が難しいInstagram
世界観を想像する余地が残されているテキストメインのSNSに比べ、投稿内容がダイレクトに世界観を形成するInstagramは人気アカウントへと育てるのが難しい。
ターゲット女性にささる明確なコンセプト、目的、世界観を決めるだけでも難しいのに、さらにコンテンツ制作費が必要になるケースでは、かけるリソースのボリュームも大きく継続的な運用のハードルも高くなる。
特に、もともとブランドあるいは商品に際立った世界観がない場合は、Instagramで世界観をつくり込むのにかなり苦労する。運用を始める時は事前に、自社とターゲット層が同じ他社の運用事例を参考にするか、ターゲット女性が好む世界観や、ターゲット女性が自社に期待している世界観が何なのかを改めてリサーチする必要がある。
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