介護予防の取り組み事例と運用の課題(2/4)

介護予防の取り組み事例と効果

介護予防の取り組み実施状況

介護予防・日常生活支援総合事業及び生活支援体制整備事業の実施状況(平成29年度)に関しては、「介護予防・日常生活支援総合事業及び生活支援体制整備事業の実施状況(厚生労働省)に詳細を記載。

介護予防の効果

実際に介護予防に効果はあるのか?介護予防の取り組みによる効果が、調査で明らかにされている。

  • スポーツ組織への参加割合が高い地域ほど、過去1年間に転倒した前期高齢者が少ないことがわかった
  • ボランティアグループなどの地域組織への参加割合が高い地域ほど、認知症リスクを有する後期高齢者の割合が少ないことがわかった
  • 趣味関係のグループへの参加割合が高い地域ほど、うつ得点の平均点が低かった

自治体の介護予防取り組み事例と効果

各自治体では、介護予防に向けた取り組みが行われており、気軽な社会参加の場として機能している。

【広島県・東広島市】

吉川地域の「吉川げんき塾」の事例。

  • <取り組み内容>
    ・週1回、1時間30分/1回 のペースで実施
    ・平均40名の参加
    ・まずは脈拍測定など体調チェックを行う
    ・次に「体操」「脳トレ」の2グループに分かれてプログラムに取り組む
    ・体操の内容:ストレッチ、筋トレ、エアロビクス
    ・脳トレの内容:簡単な計算、クイズ、音読、動物パズルなど
    ・最後、参加者同士の交流時間
  • <効果>
    ・握力、開眼片足立ち、TUG(Timed Up & Go Test)、かな広いテストで改善効果あり
    ・参加者全員が「とても楽しい」「楽しい」「まぁまぁ楽しい」と回答
    参考:三菱総合研究所「地域づくりによる介護予防の取組の効果検証・マニュアル策定に関する調査研究事業報告書」

【高知県・高知市】

内容は各地域により異なり、以下は一例。

  • <取り組み内容>
    ・週1~2回、1~3時間/1回 のペースで実施
    ・平均50~60名の参加
    ・「いきいき百歳体操」と「かみかみ百歳体操」の実施
    ・終了後は、片付けて解散する会場もあれば、参加者同士交流を行う会場、歌や手遊び等のレクリエーション、健康の話、手芸、ラジオ体操、尿失禁体操等、独自のメニューを行なう会場など様々
    ・他、定期的に食事会を行う会場や、保育園児との交流、高齢者の交通事故・振り込め詐欺の勉強会、認知症の勉強会、避難訓練、お花見などのイベントを実施する会場も
  • <効果>
    ・体操をきっかけに、ご近所同士の交流が活発化
    ・顔見知りの住民が声をかけることで虚弱高齢者の誘い出しに成功
    ・右膝伸展筋力は、講座開始前は平均6.9kgだったのが講座終了後は16.1kgに増加
    ・5m歩行時間は、平均7.3秒が4.6秒に短縮
    ・TUGは20.9秒が15.7秒に短縮
    ・自覚的健康感が「よい」「まあよい」の者が6人から13人に増加
    参考:厚生労働省「地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組事例」

【神奈川県・横浜市】

横浜市は「元気なうちから介護予防!」をテーマに取り組みを実施。横浜市歌に合わせたトレーニング(=ハマトレ)動画を公開。

  • <取り組み内容>
    ハマトレ
    ロコモ予防のために横浜市が開発したトレーニング「ハマトレ」は、猫背・傾きの改善、股関節の伸展、足関節の動き・バランス力向上を目指す20種の運動から構成されている。ハマトレを続けることで「姿勢が良くなる」「歩幅が広くなる」「歩行速度が速くなる」を期待できる。
    元気づくりステーション
    参加者本人、仲間、地域を元気にする自主的な活動グループで、現在約280カ所の元気づくりステーションが活動中。ハマトレ、ポールウォーキング、健康麻雀、盆踊りなどさまざまな活動を通じて健康づくりと交流を図っている。
    参考:横浜市健康福祉局「高齢者福祉の案内」

【千葉県・浦安市】

浦安市は介護予防リーダー養成講座を行っており、講座修了生を中心とした組織「浦安介護予防アカデミア」と協働で介護予防を進めている。同アカデミアは「介護予防リーダー養成講座」の修了生が中心となって設立された。運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上、認知症予防、閉じこもり予防、うつ予防をベースとして7班に分かれて活動中。浦安市の「市民参加型介護予防事業」は国の「地域包括ケアシステム」事例集成50選に選出されている。

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