斬新な提案で、既存商品に新しい価値と新鮮さを付加 3事例を紹介

商品が飽和状態にある市場では、「コト体験」や「提案型」のマーケティングが消費者の注目を集めやすい。その1つが食品業界。目新しさのない見慣れた商品でも、提案次第で新鮮さを与える商品に生まれ変われる事例を見てみよう。差別化しづらい商品でも、付加価値次第では消費者を簡単に振り向かせられると言えそうだ。

意外な組み合わせで注目  ノンアルコールの新しい飲み方

サントリーのノンアルコールビールテイスト飲料のオールフリーが提案するのは、氷を入れて飲むスタイル。冷えたジョッキに氷をぎっしり詰めオールフリーを注ぐ、というシンプルな提案だが、「ビールに氷!?」という意外性が新しい。同社が行ったモニター評価では、83%が「美味しい」と答えたという。氷を入れると、味が薄くなったり、薄まることで喉越しの刺激が下がるのかと思いきや、味は薄くならず、同社のサイトには以下の声が掲載されている。

・氷を入れて爽快感があるのに味も香りも薄くならず、気に入りました!(41歳 男性)
・氷を入れるの!?味はどうなるの!?って心配でしたが、のどごしがよくて美味しいとびっくりしました(40歳  女性)
(引用:オールフリー)

サントリーのオールフリー「氷を入れちゃえ!」

【画像】サントリー

アイスの新しい食べ方 ごま油使いを提案

こちらも意外な組み合わせで商品の新しい活用法を提案している。日清オイリオのごま油は、アイスクリームにごま油をかける食べ方を提案。「アイスに油!?」と一瞬戸惑う人は多いはず。しかし相性は良いようで、一部の人の間ではすでに「バニラアイスとの相性が良い!」と食されている。まだマイナーな食べ方だが、健康効果が知られるようになってから積極的に油を摂る人が増えている今、この組み合わせ方は人気の食べ方になるかも。

「デザート」から「食事」へ  ヨーグルトのポジショニングを提案

「ヨーグルトを食事として食べる」を提案するのは、明治ブルガリアヨーグルトのバランスランチ。ランチにヨーグルトを加えることで普段の食事で不足しがちなたんぱく質とカルシウムを補う、という考え方を提案しており、ヨーグルトを「デザート」ではなく「食事」として捉える。さらに食事らしい食べごたえにするために、ヨーグルトを濃縮し、内容量は120gに決定したという。ヨーグルトへの年間支出金額は年々増加しており総務省「家計調査通信508号」平成28年、特に女性の間では、整腸作用や免疫機能を高めるなどの健康効果から今や日常食となっている。このような背景もあり、バランスランチの「食事として捉える食べ方」は女性に幅広く受け入れられそうだ。「時短で栄養バランスを整えたい」今の忙しい女性のニーズにもぴったりだ。

 

 

 

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