同じ子育て動画なのに何が違う?炎上したユニ・チャームと 涙誘うパンパース
かつての「男女のあり方(性別分業役割)」が変化していることを察知せずにマーケティングを設計してしまうと、炎上を招きかねない。反対に、「男女のあり方(性別分業役割)」に変化が起きていることや、女性の価値観の変化を正確にとらえたマーケティングの実践は、企業の好感度をたちまち上げる。ここで2つの動画を比較したい。2社ともオムツで有名な企業だが、2社が公開した動画の内容は全く正反対の視点で「子育て」を描いている。炎上を招いたユニ・チャームの動画と、女性を感動させるパンパースの動画。何が違うのだろうか?(いずれも動画は現在削除されてしまったのでテキストのみでのご紹介となります)
炎上したユニ・チャームの「ワンオペ育児」
ユニ・チャームが最近公開した動画はワンオペ育児を推奨しているように視聴者に捉えられ、「これでは出産・子育てするのが怖くなる!憂うつになるだけじゃん」「ママ一人で子育てしなきゃならないのか!」「ママはつらいことも全部我慢して一人で乗り越えなければならないのか」「父親、なんで一瞬しか登場しないの?」「産後うつで苦しんでた時期を思い出して辛くなった…」「ママの苦労を美化してない?なぜ一人で苦労することを賞賛する?」「これが現実なら、産むの躊躇するよね」と、多くの批判が寄せられ炎上したのは記憶に新しいだろう(現在動画は非公開)。一昔前なら「母親が育児を担当し、父親は遅くまで仕事をする」という性別役割分業が一般的であったが、今は専業主婦層の減少・働く女性の増加を背景に、「男女平等」「女性活躍」「(女性だって働いているのだから)家事育児は分担する」という流れが起きている。そんな社会の変化や今どき育児の在り方を汲み取りきれていなかったため、こちらの動画は多くの批判を浴びることになった。
みんなで子供を育てる姿に感動 パンパース
一方で、パンパースの動画は多くの女性を「子育てって素敵!」「子どもがいる生活って豊かな時間!」と勇気づける内容で構成されている(現在動画は非公開)。女性を応援する企業こその動画だ。同じ子育て動画でも、視点が変わるだけでこんなにも視聴者に与えるインパクトが変わることに気づかされる事例だ。
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