女性の感情に寄り添う 資生堂のマーケティング戦略

商品の機能性はもちろん大事だが、それ以上に「好き・嫌い」「(その商品ストーリや企業姿勢に)共感できる・できない」などの感情で購買行動を決定する傾向が強い女性たち。

そんな女性たちに商品・サービスを訴求するなら、商品過剰な今の時代だからこそ、女性特有の感情や、女性に共感してもらえるマーケティング戦略で他社とは異なるプロモーションに取り組みたい。その事例として参考になるのが、資生堂の「表情プロジェクト」だ。

資生堂の表情プロジェクト

出典:資生堂

機能性よりも、感情に寄り添う

同プロジェクトは、同社が2017年2月、日本で初めて「有効成分 純粋レチノールによるしわを改善する効能効果」について、厚生労働省から認可を受けたことをきっかけに2017年4月から展開されている。「シワを改善するクリーム」というだけでも十分に女性たちの関心を引き込めるが、プロモーションでは、機能性よりも女性たちの感情に寄り添った訴求をしている。

一般的に商品・サービスを売り込む場合、企業は機能性ばかりを前面に打ち出しがちだが、自社商品と他社商品の機能性の違いを瞬時に消費者に伝え、理解・判断させるのは難しい。シワ改善化粧品といえば、POLAの「ポーラ リンクルショット メディカルセラム」も人気が高いが、資生堂商品とPOLA商品、どちらも高い効果を期待できるだけに、どちらを選べば良いか判断に悩むところだ。

そんな時に判断基準の一つになるのが「機能性以外の “何か” 」だ。その “何か” は「リアルな体験の提供」かもしれないし「面白いTwitter企画」かもしれないし「共感される動画」かもしれない。いずれも「感情」にアプローチする方法だ。機能性のみで商品価値を訴えるよりも感情に寄り添うマーケティング戦略の方が、実は「選んでもらいやすい」こともあるものだ。

しわがなければ、思い切り笑えるのに!

女性たちは笑いたくてもシワができることを恐れ、思い切り笑うことを躊躇してしまう。同プロジェクトのHPには「しわがなければ、もっと思い切り笑えるのに。」との文言が。この言葉に共感する女性は多いだろう。

コミュニティサイト「発言小町」には、シワを作りたくないから笑わない女性たちの切実な悩みが投稿されている。トピ主は若干29歳の女性だ。


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