健康行動促進がうまい企業の啓発キャンペーン事例(海外編)

女性がんの中でも特に大々的な啓発キャンペーンが展開されるのが、乳がん。乳がん月間の10月になると世界中で工夫を凝らしたキャンペーンが繰り広げられる。地味でクリエイティビティに乏しい日本の啓発キャンペーンと比べると、海外は発想豊か。お笑い要素の強い啓発キャンペーンもあれば、単純だけれども仕掛け方の視点がうまい事例も。発想が豊かなだけでなく、健康行動促進もしっかり考えられている点が参考になる。

今月の乳がん月間をテーマにした連載第3回目では、世界の広告事例をキュレートしているメディア「Ads of thte World(米・NY)」で紹介している広告事例の中から、参考になる乳がん啓発キャンペーン事例をご紹介。健康行動促進を仕掛ける際の視点の持ち方が参考になるはず。

シコリのある石鹸(LUX)

ビューティブランドのLUX(ユニリーバ)はインドの女性たちに向け、乳がん検診受診の重要性を訴えるために「シコリのある石鹸」を作った。部分的に突起させた石鹸で、シャワーを浴びている最中に触ることで、乳房のセルフチェックを女性に思い出させるのが狙い。

浴室というプライベート空間かつ裸の状態で使う商品を提供する企業だからこその発想。突起をつけただけの単純なものだが、違和感のある石鹸を触るたびに「乳がんのシコリもこんな感じなのかな?」「セルフチェックしなきゃ」など、何かしら乳がんについて考える女性は多いのでは?  以下動画ではその石鹸を見ることができる。詳細:The Soap with a Lump, Ads of the World

 

自分の胸を触るマネキン(SC)

続いて、ブラジル・サンパウロのショッピングモールTietê Plazaで実施された事例。同ショッピングセンターでは乳がん月間の10月に、複数のアパレルショップが一斉に同一のキャンペーンを実施した。自分の胸を触っているレディースマネキンを各ショップが店頭に設置するというもの。さらにショップの試着室内にはセルフチェックガイドを掲出。自分で自分の胸を触っているというちょっと不思議なマネキンを見て乳がんを意識した女性が、ショッピング中に試着室に入った際にセルフチェックをするーという行動を想定した導線だ。

マネキンが自分の胸を触っている様子は若干わかりづらいので気づかない客も多いだろうが、発想は新しく、人々の視線を奪う仕掛け方は参考になる。実際のマネキンや客の反応は動画で見れるので、ぜひチェックを詳細:The Self-Exam Mannequin, Ads of the World

 

啓発用チェックインカウンターを設置(空港)

続いて、公共交通機関が実施した事例をご紹介。リマのホルヘチャベス国際空港が行なった啓発キャペーンで、搭乗前の人々を対象に「もう一つのチェックイン」を設けた。通常のチェックインカウンターのうちの一つを乳がん啓発の専用カウンターとし、カウンターの存在に気づいて訪れた人に、セルフチェックガイドを記したパンフレットを配布した。

当キャンペーンが意図したのは、もちろん乳がんのセルフチェックや検診受診の啓発だが、もう一つ、空港だからこそ発想できた視点で啓発をした点が参考になる。”飛行機のチェックインと同様に、乳がん検診受診も早め早めに行動すれば、命を守ることができる” というメッセージを込めており、女性たちにセルフチェックや早期発見の大切さを訴えている。

公共交通機関の中でも特に人々が時間をシビアに意識するのは空港。「飛行機の搭乗時間は必死に守ろうとするのに、自分の命を守るために時間を意識したことはあるだろうか?」と、自身の健康行動を省みる女性は多かったのではないだろうか。詳細:The Other Check-In, Ads of the World

 

有名女優が乳房になりきり、真面目にトーク

こちらはちょっとコミカルなキャンペーン事例。乳房を模した巨大な顔出しパネルからペルーの有名女性が顔を出し、左右の乳房が会話をするというもの。左右それぞれの乳房は異なる意見を持っており、検診受診に否定的な片方の乳房を、もう片方の乳房が説得し、最終的には左右両方の乳房が検診受診に同意する。

この動画ストーリーを言葉だけで説明するのは少々難解なので、ぜひ、実際の動画を見てほしい。ちょっとふざけた雰囲気だが、乳房が話している内容そのものはまとも。日本ではまず見ない発想だが、こんなコミカル要素を入れて関心を惹きつけるのもアリでは?詳細:Boob Talk, Ads of the World)。

 

 

 

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