アフターピル市販化、女性客のために整えるべき環境は?

アフターピル(緊急避妊薬)のアクセス改善を求める署名活動(緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト)が国内外で反響を呼び、市販化の実現性が高まっている。

昨年末に内閣府が公表した「第5次男女共同参画基本計画」の中でも、アフターピルの市販化の検討が盛り込まれた。昨今の女性の健康問題・ジェンダー平等の社会的関心の高まりも後押しとなり、女性たちが薬局で入手できるようになる日は近い。

これまでアフターピルの入手には医師の処方箋が必要だったが、これが実現すれば薬剤師が店頭で対応・販売することになる。その際、薬局側は女性客にどのような配慮が必要になってくるのか?薬剤師向け情報メディア「ハッピーファーマシスト」が調査を実施した。

調査は薬剤師を対象に行ったもので、「アフターピルの市販化が実現した場合に求められる販売環境」について聞いたところ、次の結果となった。(調査対象:女性薬剤師67名,男性薬剤師33名)

  • 1位:個室などプライバシーを保てる販売環境(56%)
  • 2位:女性薬剤師による対応(23%)
  • 3位:アフターフォローの体制を整える(22%)
  • 4位:緊急避妊の正しい知識を身につける(15%)
  • 5位:オンラインを利用した手続きなど(6%)
  • 6位:24時間対応(5%)
  • その他(13%)

半数を超えたのは、「個室などプライバシーを保てる販売環境」。アフターピル購入の背景には、避妊失敗や性被害が関係していることもあり、来店する女性は不安・焦り・羞恥・恐怖などのネガティブな感情を抱えているケースが多い。周囲の人に見られず・聞かれずに購入したいと思う女性が大半だろう。市販化が始まった際には、まずプライバシーに配慮した販売環境を整える必要がある。

ちなみにこの調査では、女性薬剤師と男性薬剤師で異なる結果が見られた。女性薬剤師は男性薬剤師よりも「プライバシー」「対応する人の性別」を重視する傾向が。来店女性の気持ちへの配慮が伺える。女性客の対応には、女性視点が必要であることを感じさせる結果だ。

<女性>

  • 1位:個室などプライバシーを保てる販売環境(63%)
  • 2位:女性薬剤師による対応(24%)
  • 3位:アフターフォローの体制を整える(18%)
  • 4位:緊急避妊の正しい知識を身につける(13%)
  • 5位:オンラインを利用した手続き等(6%)
  • 6位:24時間対応(6%)
  • 7位:その他(12%)

<男性>

  • 1位:個室などプライバシーを保てる販売環境(42%)
  • 2位:アフターフォローの体制を整える(30%)
  • 3位:女性薬剤師による対応 (21%)
  • 4位:緊急避妊の正しい知識を身につける(18%)
  • 5位:オンラインを利用した手続き等(6%)
  • 6位:24時間対応(3%)
  • 7位:その他(15%)

 

 

【編集部おすすめ記事】
フェムテックの市場規模・企業商品事例・動向
日本初の卵巣年齢検査キット、後悔しない家族計画のために
【2021年版】ヘルスケア市場の女性ニーズ&消費トレンド
進む”生理の貧困”対策、政府が無料配布を決定
世界で話題の “トイレに流せる” 妊娠検査薬、女性たちの評価ポイントは?
空前の生理ブーム到来、大手各社の取組み事例5選

 

PAGE TOP
×