生理ブームから始まったフェムテックブーム。今年に入ってからは特に、大手企業の生理市場・フェムテック市場参入が目立っている。前回の記事「空前の生理ブーム到来、大手各社の取組み事例5選」に続き、国内有名企業のフェムテック動向をピックアップ。

先陣切った、大手5社の取組み

大手の中でもいち早く、生理ブーム・フェムテックブームに乗ったのは、

• GU：生理吸収ショーツ発売
• ファミマ：生理用品を全品割引
• ららぽーと：生理用品、無料提供
• ルナルナ：フェムケーションを提唱
• 大王製紙：“生理の貧困” 国のSRHR向上を支援

上記5社は最新技術を搭載したデジタル系フェムテックではなく、生理・生理用品系フェムテック。先行していたベンチャーや国外の生理の貧困対策などに続く形で、トレンドをいち早く掴み事業に組み込んだ。詳細は、先月公開した記事「空前の生理ブーム到来、大手各社の取組み事例5選」に掲載。

骨盤底筋サポートショーツ（イオン）

イオンは今年3月、同社のインナーブランド「トップバリュ ララキレイ」シリーズから、「骨盤底筋」をサポートする「骨盤・骨盤底筋サポートショーツ」の発売を350店舗で開始した。骨盤底筋群を下から引きあげてゆるみをサポートする設計・構造のインナーウェアで、フェムテックの発想で企画・開発したのはトップバリュとして初。

【出典】イオン

骨盤底筋サポートのフェムテックで今スポットライトを浴びているプロダクトと言えば、Elvie Trainerに代表されるような挿入型の膣トレアイテム。だが、膣への挿入が面倒、あるいはもっと手軽に・日常的にケアしたい女性は、この商品の方を好むだろう。

ソフィ初の月経カップ（ユニ・チャーム）

ユニ・チャームは、生理用品ブランドの「ソフィ」から、ブランド初の月経カップ「ソフトカップ」を今月27日に発売する（通販サイトと一部店舗）。最長8時間使用できる。商品特徴は以下。

• 経血量がわかる半透明色
• 初心者でも使いやすいMサイズで、25mlの経血量が入る
• 取り出しやすいよう、リング型の取っ手付き
• 保管用の、専用の巾着もセット販売

【出典】ユニ・チャーム

他の月経カップと基本的には同じ構造で、特段、これと言った特筆できる点はないが、生理用品ブランドとして圧倒的認知がある上に、月経カップと組み合わせて使用できる生理用品（生理用ナプキンや、デリケートウェットシート）とクロスセルできるのは、同社ならではの強み。

フェムテック専門店を常設（ラフォーレ）

ラフォーレ原宿は3月末、フェムテック専門店を常設店としてオープンした。出店したのは日本初のフェムテックショップとして1996年から生理用品やセクシャルウェルネス商品を輸入・販売してきたラブピースクラブ（有限会社アジュマ）。

同社は、北海道、東京（新宿、渋谷、中央、他）、神奈川などの百貨店、バラエティショップ、クリニック内などでも販売しているが、独立店舗としての出店は今回が初。ラフォーレ原宿店では昨年夏にポップアップショップを出店しており、好評だったことから常設での出店が決まった。

【出典】アジュマ

店舗では、最先端の生理用品やフェムテック、ジェンダーやセクシュアリティに関するフェミニスト書籍、プレジャートイなど「フェム」にまつわる様々な商品を販売する。

同社に取材したところ、フェムテックブームの追い風を特に受けているのはプレジャートイ。これまではセクシャルウェルネスのトピックを女性がオープンに話せる空気がなかったこともあり、アダルトグッズ専門店など特別な場所にしか卸せなかったが、このフェムテックブームで市民権を得た今、販路は多いに広がったという。百貨店などの商業施設や産婦人科からの引き合いが増えているというから、今後女性たちがプレジャートイを手に取る機会は増えそうだ。

フェミケアやプレジャートイを充実（ディノス/集英社）

フェムテックやフェムケアなど、フェム関連の商品を取り扱う通販ショップも増えている。アマゾンや楽天市場で「フェムテック」を検索すると、前者は42件、後者は470件の商品がヒットする（2021年4月21日時点）。かなり充実してきた印象だ。

女性向け通販サイトの「ディノス」や、集英社が運営するファッションECサイト「ハピプラ」でも、フェムテック関連商品を豊富に取り揃えている。

ディノスは「美容・健康・ダイエット」カテゴリー内の「衛生用品・ラブアイテム」の中で、膣トレ、フェミケア、ラブグッズ、プレジャートイの商品を取り揃えている。

ハピプラは「ビューティ」カテゴリー内で販売。生理吸収ショーツや生理用布ナプキンなどの王道のフェムテック以外に、VIOにも使える女性用シェーバー、薬用制汗クリーム、デリケートゾーン専用ウェットシートなど、フェミケア商品を充実させている。

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