国内のフェムケア&フェムテックの市場規模は拡大基調、642億円

矢野経済研究所は今月17日、2021年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)の市場動向を発表した。市場規模は前年比107.7%で642億9,700万円(推計)。同社は「前年比103.9%の伸びだった2020年と比べると、2021年はさらに勢いを増している。2022年もその勢いは続く」と見ている。

 

【出典】矢野経済研究所

 

市場拡大の背景や今後の市場の課題については、次のように分析している。

  • SDGsの認知が急速に広まり、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントなどにも注目が集まったことで、女性の暮らしにくさや働きにくさに改めて焦点が当たった。フェムケア&フェムテックの認知が広まっている背景の一つ
  • 2019年頃から様々な商品・サービスがフェムテックの枠で語られ、新商品・サービスのみならず、既存商品・サービスも「フェムテック」「フェムケア」というカテゴリーを与えられたことで、注目されるようになっている
  • 吸水ショーツなどスタートアップの参入が相次いだことも市場拡大の後押しに
  • 国内では労働力不足が顕在化していたため、職場における女性の活躍推進や女性支援の動きが高まっており、フェムケア&フェムテックサービスへの企業からの関心も高い
  • 2021年後半から2022年にかけては法人向けのフェムケア&フェムテック商品・サービスへの拡充が相次いだ。オンライン健康相談サービス、妊活サポート、低用量ピル服薬支援プログラムなどが福利厚生サービスとして法人に導入される可能性も増加しているものとみられる。また、卵子凍結やホルモン検査のサービスを提供している企業もある。福利厚生サービスとして商品が提供されているケースは、吸水ショーツ以外に目立ったものがない
  • 2021年前半まではフェムテックが注目された一方で、マーケットに投入されていたアイテム・サービスがある程度限られていたため、「吸水ショーツ」や「月経カップ」、「オンラインピル」といったアイテム・サービス名の検索ワードからユーザーを呼び込むことが比較的容易で、店舗での競争も少なかった。しかし新規参入の増加により、消費者にとっての選択肢は増えたが、企業にとっては競合との差別化が課題に。新しい素材やカラーなどデザイン面のブラッシュアップ、法人向け、ギフト、メディアで取り上げられやすい取り組みなどマーケティング面での工夫を凝らすブランドも増えているが、競争力を維持するには、それ以上に訴求力のあるアイディアが求められる
  • 市場全体の拡大に向けては、啓発活動も重要なポイント。女性が気兼ねなく悩みを話したり商品・サービスを利用できるようになるには、女性自身の知識やセルフケア意識の向上に加え、周囲の男性の理解・配慮の促進、若年層にも正しい知識を身に付けられるような教育、商品・サービス自体の認知や若年層向けの開発も課題。多様化した商品・サービスを消費者がどう選ぶかという点も課題となりつつあり、「選び方」の提供も求められる

詳細の市場動向は「2022 フェムケア&フェムテックマーケット(消費財・サービス)」に掲載(有料)。同レポートには、ジェンダード・イノベーションの動向や事例についてもまとめている。

 

 

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フェムテックレポート ビジネスモデル、需要性、課題

 

 

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