自社の健康商品の価値、ターゲット女性に理解を深めてもらうには?

女性ヘルスケア市場専門のシンクタンクである当社ウーマンズは、女性ヘルスケア市場に特化したコンサルティング事業、 オープンイノベーションの推進を目的とした勉強会の開催(ウーマンズ・ミートアップ)、 ビジネスメディア運営などを通じ、 ヘルスケア事業を行う企業様から連日「女性向けのヘルスケアビジネス」に関するご相談・ご意見・ご提案を頂戴しています。 その中でも特に多く頂くトピックを選定して回答させていただくのが、本シリーズ「企業様からの相談コーナー」。 皆さんがお持ちの製品・サービス・技術・アイディアのブラッシュアップにつながりましたら幸いです(本シリーズは毎月、ニュースレター会員限定で配信している内容です。ぜひニュースレターをご登録ください!)

企業様からの相談コーナー

Q.ご質問内容

時間・労力・コストをかけて新商品を完成させ、ようやく販売のフェーズにまで来たのに、薬機法などによる規制もあって、商品の十分な説明ができず困っている。市場リサーチも実施して一定の需要があることは確認できているし、競合他社の商品より技術力・開発力に優れているという自信もあるが、これでは、他社に埋もれてしまう。ターゲット女性に商品の特徴やベネフィットを十分かつ正確に理解してもらうには、どうすればいい?

A.ウーマンズ見解

実際に商品を手に取ってもらったり、商品の特徴や使い方を直接説明する機会を作るなど、ターゲット女性に自社商品の理解を深めてもらう施策は色々ありますが、特に当社が重要だと考えているのは、薬機法による制限はあれど、やはり「言葉選び・言葉の使い方・言葉の組み合わせ方」といった表現力。当社では女性生活者に支持されている人気のヘルスケア商品の分析を継続的に行っていますが、今も昔も変わらず、人気のヘルスケア商品にはこんな共通点があります。

  • 時代時代で変化する健康ニーズに応えている
  • 時代時代で変化する健康トレンドを反映している
  • これまで我慢していた健康悩みをシンプルな方法で解決してくれる
  • 従来品の「不(不満・不便・不快など)」を払拭している
  • 新発想の技術や商品設計のインパクトで、関心を惹きつけるただし理解が複雑で高度すぎる技術は敬遠されがち)
  • 商品のコンセプトに共感される
  • 機能性以外の要素においても、女性の多様なニーズに応えている(例:デザイン、肌触り、操作が簡単、コスパ、タイパ、ギフトとして適している、安心・安全など…)

他にも共通点はありますが、およそ上記の共通点が見られます。「それなら、うちだって当てはまる」と感じる企業さんは大勢いらっしゃるかと思います。…が、上記はあくまで人気商品へと駆け上がるための基本条件。ここからが勝負の分かれ道。

上記に加えて「伝え方」に長けていることが、成功を左右する鍵となります。反対に、上記の基本条件を備えていても伝え方で失敗をしてしまうと、ターゲット女性の支持を得ることは極端に難しくなってしまいます。薬機法をはじめとした規制により伝えたいことを十分に伝えられない状況下で、ターゲット女性に自社商品を正しく理解してもらうにはどうすればいいのか?その解決策の一つが、①ターゲット女性の関心を惹く言葉を選び、②商品特性を端的に説明すること、です。特に重要なのは①。このステップを踏まなければ自社商品の存在にすら気づいてもらえないため、ここは丁寧な作業がマストですが、①をスキップしてしまう企業さんがとても多いと感じています。今回は①について、例を挙げて考えていきたいと思います。例えば「運動」を表現しようとすると、選択肢は色々あります。

  • エクササイズ
  • トレーニング
  • 体操
  • フィットネス
  • スポーツ
  • アクティビティ
    など

「健康」を意味する言葉も、色々。

  • ヘルスケア
  • ウェルビーイング
  • ウェルネス
  • 病気予防
  • 健やか
  • 丈夫
  • 体調万全
  • 健全
    など

同じ「運動」や「健康」を表現するにも、どの言葉を選定するかで、ユーザーが抱くイメージや理解度が変わるばかりか、そもそも「ユーザーの関心を惹けるか否か?」に大きく影響してきます。ターゲット女性の年齢が例えば80代以上の高齢層であれば、「ヘルスケア」「ウェルネス」よりも「病気予防」「健康維持」の方が、ダイレクトに伝わり商品理解を深めてもらいやすいでしょう。「ウェルネス」や「ウェルビーイング」といった言葉の選定をしてしまうと、耳馴染みがないこともあり、健康をコンセプトにした商品だと気づいてもらえない可能性があります。

一方で若年層の場合は、「ウェルネス」「ウェルビーイング」の方が刺さるでしょう。昨今浸透してきたトレンドワードであること、また、心も体もどちらも良好でいたいという近年特有のニーズを捉えた言葉であることから、目に留まりやすく関心を持ってもらえます。特に、年齢的にまだ健康課題に直面しづらい20代であれば、「病気予防」「健康維持」という言葉は見向きもしない人が大半でしょう。結果的に商品理解を深めてもらうことは難しくなります。

センスあるキャッチーな言葉や、時流に乗った言葉にばかり意識が向いてしまうと、本来理解してもらいたいはずのターゲット層に振り向いてもらえなくなってしまいます。商品特性を端的に説明する”文章力”も必要ですが、まずは、ターゲット女性の関心を確実に惹ける言葉や表現をリサーチした上で、各マーケティング施策を考えてみてはいかがでしょうか?

ということで、「自社商品の理解を深める伝え方」に関するご相談が、特にフェムテックブーム以降で増えている背景から、ワークショップ型の勉強会を企画いたしました。講師は、働く女性40万人を読者に抱える伝え方のプロ、 サンケイリビング新聞社発行『シティリビング』編集長と、働く女性を対象とした定量・定性調査をもとに企業のプロモーション企画を手掛ける企画担当者。

課題解決を目的に、多くの企業のプロモーションを手掛けてきた同社の豊富な知見(伝え方の設計・購買行動につなげる動線設計・成功事例・失敗事例など)を、短時間でインプットし、同社作成のワークシートを用いながらその場で実践。大規模なコストや施策、新しいMAツールの導入といった大掛かりな改善よりも、今すぐ自社内で取り組むことができる施策を行いたい企業や、企業支援を行うBtoB企業(コンサルファーム、商社、マーケティング支援、デザイン制作など)にオススメの勉強会です。ぜひ、ご参加ください

 

 

 

運営元

ウーマンズは「女性ヘルスケア市場専門のシンクタンク」として、女性ヘルスケア事業の成長・変革を推進するマーケット情報を収集・分析・整理し、最新知見を企業様にご提供。女性ヘルスケア市場に特化してマーケティング支援を行ってきた「豊富な実績」「15年にわたり継続的に行っている調査分析により蓄積した知見やノウハウ」「業界ネットワーク」を活かし、女性ヘルスケア事業を行う産学官の「どうすれば製品・サービスを広く社会に流通させられるか?」の課題解決に取り組んでいます。事業内容は「コンサルティング事業/ビジネスメディア事業/MICE事業/BtoB広告事業」。最新レポートや新着セミナーのご案内、制度変更などヘルスケア業界の重要ニュース、企業様から頂戴する「女性ヘルスケアビジネスあるある相談」への回答など、ニュースレターで配信中。ぜひご登録ください!

ウーマンズでは「女性ヘルスケア」をテーマに、ビジネスカンファレンスの企画開催/BtoB展示会の企画開催/BtoCイベントの企画開催/業界人限定の交流会などを実施。多様な形で、企業動向や生活者動向に関する情報を集め、分析し、整理して、業界の皆さまに最新の知見をご提供しております

 

 

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