「女性の健康」に力を入れている企業は1割未満 健康経営で強化している施策は?
「健康経営は会社の業績向上につながる」と考える企業は8割に上り、従業員の健康づくりに取り組む重要性を認識する企業は確実に増えているものの、実施している健康施策には企業間でばらつきがあり、また、不調予備軍へのアプローチも十分にされていないことが、総務専門誌の『月刊総務』による調査でわかった。健康維持・増進の見える化や従業員個々の健康支援にまで確実に繋げられるかが近年の課題とされる中、費用対効果が分かりづらいことや、導入にかかる労力・コストがネックになっているようだ。性別や年代を絞ることにもなる女性の健康施策の強化が手薄になりがちなのは、そういった”前提の課題” が立ちはだかっていることも強く影響していそうだ(対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者など244名)。
目次
調査対象
調査対象はの同誌の読者244人で、業種と企業規模は以下。
■業種
・製造業…31.6%
・その他サービス業…20.5%
・情報通信業…11.9%
・建設業…6.6%
・運送業・郵便業…4.5%
・学術研究・専門・技術サービス業…4.1%
・医療・福祉…4.1%
・不動産・物品賃貸業…3.7%
・生活関連サービス業・娯楽業…3.3%
・複合サービス事業…3.3%
・宿泊業・飲食サービス業…2.0%
・金融業・保険業…1.2%
・教育・学習支援業…1.2%
・農業・林業・漁業…0.8%
・電気・ガス・熱供給・水道業…0.8%
・公務(行政・立法・司法機関・地方自治体など)…0.4%
■企業規模
・10名未満…1.6%
・11~49名…16.4%
・50~99名…12.3%
・100~299名…20.1%
・300~499名…7.8%
・500~999名…22.5%
・1,000~2,999名…10.7%
・3,000~4,999名…3.3%
・5,000名以上…5.3%
健康経営に取り組んでいない企業3割、なぜ?
健康経営に取り組んでいるか尋ねたところ、59.0%が「取り組んでいる」と回答し、2021年2月の調査より6.7ポイント増加した。「取り組んでいない」と回答したのは3割で、理由を聞いたところ次の結果となった。
健康経営に取り組むメリット・デメリット
メリットは「社員の働きやすい環境の整備」
健康経営に取り組むメリットを聞いた質問では、圧倒的に多かったのは「社員の働きやすい環境の整備」で半数を占めた。
デメリットは「費用対効果がわからない」
反対にデメリットを聞いたところ、最多は「費用対効果が分かりにくい」だった。
社員の健康対策
現在、実施していること
社員の健康対策で実施している項目については、義務化されている「健康診断(95.9%)」と「ストレスチェック(77.5%)」が上位に。他の施策については企業によってばらつきが目立った。
特に力を入れている施策
特に力を入れている健康施策の最多は「メンタルヘルス(43.9%)」だった。「婦人科」に力を入れているのは、わずか6.6%にとどまった。
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不調予備軍へのアプローチ、3割
続いて「身体的不調の予備軍」と「精神的不調の予備軍」、それぞれに対するアプローチをしているか尋ねたところ、前者は25.4%、後者は30.7%といずれも3割程度にとどまった。有意差とまでは言えないものの、「身体不調」よりも「メンタル不調」の予備軍を重視する傾向が見られた。
■不調予備軍を把握する方法
・サーベイの結果(47.4%)
・管理者へのヒアリング(36.8%)
・従業員アンケート(31.6%)
・外部相談窓口の設置(27.4%)
■メンタル不調の予備軍へのアプローチ
・人事サーベイを月1度実施
・管理職向けストレスケア研修や医療職による全員面談
・公認心理師によるカウンセリング実施
・無料電話相談の紹介
・ハラスメント防止などのオンライン研修の実施
など
■身体不調の予備軍へのアプローチ
・イントラネットでの啓発
・外部EAP(従業員支援プログラム)を利用しての健康相談窓口の開設
・健康診断や人間ドック結果に基づく個別支援
・過重労働者と産業医の面談
など
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