吉野家HD、高価格帯で美容事業に本格参入 ダチョウ肉の副産物を化粧品開発に活用もトレンドに逆行

吉野家ホールディングスは先月末、オーストリッチ(ダチョウ)を活用した新規事業を開始すると発表した。牛丼チェーンの吉野家では、ダチョウ肉を使ったメニュー「オーストリッチ丼(スープ添え)」を発売。牛肉・豚肉・鶏肉に次ぐ第4の選択肢としたい考えで、低脂肪・低カロリー・高鉄分・高タンパク質といった特徴を打ち出し、先月28日より、ヘルシー食として提供を始めた。

「オーストリッチ丼」の販売と同時に発表したのが、美容事業への本格参入。同社100%子会社で、ダチョウの飼育・研究・商品開発・販売を行うSPEEDIA(東京・中央)が開発した、ダチョウオイル配合のスキンケア商品「SPEEDIA」の販売を開始した。ダチョウオイルは肌水分量を増加させ、美容成分を肌に浸透させ続ける効果に優れることが明らかになったことから、美容成分の浸透効果を高めるブースターオイル(グラマラスブースターオイル/90日分50ml/税込15,400円)と、バリア機能をアップさせてハリと艶を保つエイジングクリーム(グラマラスエイジングクリーム/90日分40g/税込16,500円)を開発。いずれも1万5千円超えと、高価格帯での参入となった。

吉野家の新規事業

【出典】吉野家

 

直販サイトの他、日本調剤オンラインストア、ヨドバシドットコムでの販売も開始。認知拡大に向け各所でポップアップショップの開催も予定しており、吉野家ホールディングスは今後、オーストリッチ事業を本格始動することで、食・健康に加え美容面でも生活者に寄り添っていきたいとしている。

吉野家の新規事業②

【出典】吉野家HD(ポップアップストアのイメージ))

 

ただ、アニマルウェルフェアの観点から、女性を中心に動物実験を経た化粧品や動物由来の化粧品を避ける傾向が世界的に強まっているなか、「ダチョウオイルを使って開発した化粧品」という商品コンセプトに、どれだけのユーザーが共感するかは課題となりそうだ。ダチョウオイルはオーストリッチを食分野に活用する過程で発見した副産物で、資源の有効活用という点では評価できるものの、市場での受容性については疑問も大きい。

 

 

 

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