製薬企業のデジタルヘルス事例272件を調査、「治療・服薬支援」領域が最多で3割

市場調査のシードプランニングが、「製薬企業のデジタルヘルス戦略(2025年版)」を公開した。2021年11月~2024年9月までの製薬企業各社の取組みを収集し、272件の事例をまとめたもの。医療のDX化が進む中、製薬企業各社では、創薬分野から臨床開発・試験、治療・服薬支援、製造DXなどあらゆる場面でのデジタル化や、デジタル技術を活用した新たなモダリティ開発への取組みを加速させている。RWD(リアルワールドデータ)の利活用事例も各社で増えつつあり、医薬品の開発や臨床試験の効率化、医薬品の安全性・有効性証明、基礎研究場面での疾患理解の向上など、多様な場面で活用が進んでいることから、市場動向を整理した。今回で3回目の発表(調査対象は、国内大手製薬企業11社、内資系製薬企業9社、外資系製薬企業日本法人11社、RWD利活用を支援する主な事業者8社)

デジタルヘルスの事例、領域別では「治療・服薬支援」が最多

調査では、デジタルヘルスの事例272件を8領域に分類し、傾向を分析した。事例として最も多かったのは「治療・服薬支援」の領域で83件、3割を占めた。次いで「予防・健康」が70件で2.5割、3位は「疾患啓発・情報提供」だった。

  • 1位:治療・服薬支援(30.5%)
  • 2位:予防・健康(25.7%)
  • 3位:疾患啓発・情報提供(18.0%)
  • 4位:創薬・研究(11.8%)
  • 5位:業務効率化・人材育成(8.5%)
  • 6位:製造DX(5.1%)
  • 7位:臨床開発・試験(4.4%)
  • その他(9.9%)
製薬企業の領域別デジタルヘルス戦略

【出典】シード・プランニング

 

デジタルヘルスの事例、技術別では「Web・アプリ」が最多

技術別では5領域に分類して傾向を分析した。デジタルへルスで最も使われている技術は「Web・アプリ」が167件で、全体の6割を占めた。次いで「人工知能」が73件で約3割。「人工知能」を活用した取組みでは、AI技術を持つ海外企業との連携・提携が活況で、特定疾患を対象とした活用も見られたものの、多くは、複数疾患や新たな治療標的を探索する事例だった。

  • 1位:Web・アプリ(61.9%)
  • 2位:人工知能(27.0%)
  • 3位:デバイス・AR・VR(20.0%)
  • 4位:ウェアラブル(9.6%)
  • その他(30.4%)
製薬企業のデジタル技術別デジタルヘルス事例

【出典】シード・プランニング

 

 

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