厚労省の概算要求34.2兆円で過去最大、女性の健康関連で新規要求 高齢期の女性にも言及
厚生労働省は先月末、2025年度予算の概算要求を公表した。一般会計は2024年度当初予算の1.4%増(4574億円)で、過去最大の34兆2763億円となった。高齢化に伴う社会保障費をはじめ多くの項目で増額となり、今後の⼈⼝動態や経済社会の変化を見据え、医師の働き方改革の普及啓発、看護・介護・障害福祉領域の人材確保やDX推進、認知症の共生社会の実現に向けた施策、ドラッグラグ・ドラッグロスの課題解決に向けた創薬力強化に向けた施策、女性・高齢者・外国人の活躍推進、国民皆歯科健診の実現に向けた環境整備などを盛り込んだ。
新規要求では、紅麹サプリ問題を契機に、機能性表示食品事業者に義務付けられた都道府県への健康被害情報の提供に対応するための予算3.8億円や、UHCの世界的拠点となる「UHCナレッジハブ」の2026年度中の本格稼働を目指し4.8億円を計上した。
女性の健康については、新規で「女性の健康相談支援体制構築事業」9,700万円、「子宮頸がん検診におけるHPV検査単独法導入に伴う健康管理システムの改修事業」9.5億円を要求した。女性の健康相談支援体制構築事業では、薬局など身近な場所で女性の相談に対応できる人材を養成するための教育資材の開発や養成を行う他、かかりつけ医、産婦人科、内科、精神科、整形外科などの様々な診療科が、患者の状態に応じて連携して対応するためのモデル構築を行う計画。支援対象は、若年期・性成熟期・更年期・老年期の女性。近年、女性の健康課題を有する属性として各所が強調してきた「生理」「妊娠・出産・産後」「更年期」に留まらず、高齢女性にも焦点を当て、「平均寿命の延伸に伴う老年期の長期化への対応」にも言及した。
<主な新規要求>
- 自治体検診DX推進モデル事業(10億円)
- 子宮頸がん検診におけるHPV検査単独法導入に伴う健康管理システムの改修事業(9.5億円)
- 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業(8.2億円)
- 機能性表示食品等に係る健康被害への対応の強化(3.8億円)
- UHCナレッジハブにかかるWHOオフィス準備的組織の設置(3.8億円)
- 看護現場におけるデジタルトランスフォーメーション効果検証事業(2.8億円)
- 共生社会の実現を推進するための認知症基本法に基づく都道府県・市町村の認知症施策推進計画の策定支援(1.6億円)
- 共生に向けた認知症の早期発見・早期介入実証プロジェクトの推進(1.6億円)
- 医師の働き方改革普及啓発事業(1.5億円)
- 女性の健康相談支援体制構築事業(9,700万円)
- UHCナレッジハブにかかる会議等の開催(9,500万円)
- 電子処方箋の利活用促進事業(8,300万円)
- 創薬力強化のための早期薬事相談・支援事業(6,800万円)
- ホームヘルパーの魅力発信のための広報事業(5,800万円)
- 中堅期看護職員等の就業継続支援事業(2,800万円)
- リアルワールドデータの活用等によるプログラム医療機器実用化促進事業(1,600万円)
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