フィットネスの市場規模、過去最高の7,100億円へ拡大 コンビニジムの台頭で女性の取り込みに成功
2024年度のフィットネス市場は、事業者売上高ベースで過去最高の約7,100億円に達する見通し。帝国データバンクが推計した。
フィットネスクラブはコロナ禍で需要が落ち込み、客足鈍化の影響を最も受けた2021年の5,248億円から3割超の増収となり、これまで過去最高だった2019年の7,085億円を上回る見込み。フィットネス事業を展開する大手15社の店舗数は、この10年で2倍以上に増加し、特にチョコザップに代表される低価格・小規模の“コンビニジム”の台頭が、初心者や女性会員の獲得にも寄与し、市場拡大を後押しした。オンラインフィットネスやウエイトトレーニングなど、特定の目的に特化した24時間ジムや女性専用ジムといった業態も好調だった。
収益面では48.8%の企業が黒字を確保した一方、赤字や減益企業も多く、二極化が進行。2025年度も市場拡大が期待されるが、トレーナー確保や設備維持でコストが増加する一方で、低価格ジムの増加と、物価上昇による消費者の節約志向で価格競争が激化し、収益とコストの両立が課題となっている。
市場調査の結果を踏まえ同社は、「今後は、高品質なトレーニングプログラムの提供や、バイクエクササイズ、キックボクシングなどの特化型フィットネス、特殊なトレーニング機器の導入など、価格戦略や差別化を優位に進める取り組みが求められる」としている。
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