介護殺人「母親に、死んで欲しい」に共感のコメント多数
今、日本では2週間に一度のペースで介護殺人が起きているという。この衝撃的事実の背景にあるのは、家族の介護に疲れ果てた人たちの深刻な心労だ。妻や夫、親などの家族を殺める悲劇を、高齢化が進んだ現代の新たな問題と捉えたNHKが昨年放送した「私は家族を殺した〜”介護殺人”当事者たちの告白〜(NHKスペシャル)」は大きな反響を呼び、人々に「介護を担う側」の現状を改めて考えさせる機会となった。そのNHKスペシャルの内容が10月に書籍化されたことで、今再び、介護の現状について注目が集まっている。詳細:「母親に、死んで欲しい」: 介護殺人・当事者たちの告白
介護を担う側のリアルな問題には共感の声
今月13日にヤフーニュースに掲載された、NHKプロデューサー横井秀信さんによる当書籍のレビューには様々なコメントが寄せられている。認知症を患う家族とのコミュニケーションや言動に疲れ果てうつ病になってしまったこと、認知症の父親が亡くなった時にほっとしたこと、介護生活で仕事ができなくなり自分の時間がなくなったこと、莫大なお金がかかることなど、実際に家族の介護を経験した人の精神的な苦しみや、お金の問題、介護と仕事の両立の問題など、介護を担う側のリアルな問題がまざまざと伝わってくる。
コメント欄には介護殺人をしてしまった人に対する批判よりも共感の声が多く並び、中には「(この本を)泣きながら読んだ」という声もあった。介護保険制度の改正、平均寿命延伸、在宅介護などに首をかしげ、安楽死を求める声や、介護を担う側のQOL向上を訴える声も目立った。
書籍はもちろん、これらの切実なコメントに深く考えされる人は多いのではないだろうか。「死」「病気」「介護」は自分の身近で起きない限り、心のどこかで「他人事」になってしまう。しかし少子高齢化が急速に進む我が国では、もはや介護殺人は誰にでも起こり得る身近な問題だ。
介護を担う家族の立場に立った商品・サービス
平均寿命の延伸という明るニュースの行く末が「介護殺人」では、あまりにも悲しいではないか。ヘルスケア業界がこの問題に取り組めることを挙げるなら、「QOLの向上」「心理的・体力的・金銭的負担軽減」をコンセプトとした、介護を担う家族を支える商品・サービスの開発ではないだろうか。要介護者のヘルスケア商品・サービスは次々に登場しているが、介護を担う家族にスポットを当てた商品・サービスは、現状、非常に少ない。次の記事でご紹介する明治の栄養食品はまさに介護を担う家族にスポットを当てた商品例だ。
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