増加する不妊治療 女性の苦痛と不妊専門相談センターの取り組み事例

女性にとって周囲の人に相談しづらいトピックの一つが不妊治療。職場や友人、親戚など、あなたの周りにも不妊に悩んでいたり不妊治療にすでに取り組んでいる人はいるかもしれない。ざっくばらんに話せるような明るい話題ではないゆえにその現状について知る機会は少ないが、晩婚化の影響もあり、不妊治療に取り組む人は年々増えている。

増加する不妊治療

厚生労働省は今月19日、不妊に悩む人の相談支援窓口「不妊専門相談センター(※1)」の取組について報告書に取りまとめた。それによると、不妊治療の1つである体外受精と顕微授精による出生児数は平成26年度は4.7万人。平成 18 年の約2万人から2倍以上に増えている。

出典:厚生労働省

国では高額な医療費がかかる経済的な負担の軽減を図る「不妊に悩む方への特定不妊治療支援事業」を実施しており、支給実績は平成16年度からの10年間で約9倍となっている。

出典:厚生労働省

不妊治療の流れ 苦痛や負担は主に女性側

不妊とは一般的に「妊娠を望む健康な状態の男女が性交をしているにも関わらず、一定期間(1年間)妊娠しない状態」を指し、次のような流れで治療を進めていく。男性側に原因があることもあるが治療の対象は主に女性で、治療の過程で生ずる身体的な痛みや精神的変調など様々な苦痛や負担は女性側に集中している。

出典:厚生労働省

不妊治療に伴う悩み 質問サイトには多数のコミュニティ

不妊治療は確実な妊娠・出産を約束しているものではないため、長い年月を要する人もいれば、長い時間かけても結局妊娠・出産できずに諦める人もいる。妊娠できるか・できないかのストレスだけではなく、経済的負担が大きくのしかかり、さらに仕事と通院の両立、医師(病院)との相性、周囲の人たちの理解、夫婦間の相互理解や関係性の変化、治療終結時期の決断に迫られるなど、治療中は様々なストレスにさらされる。

質問サイト上には不妊に悩む女性たちのコミュニティーが数多く立ち上げられており、排卵・月経の有無に一喜一憂する声、それを励ます声、妊娠しやすい体質を作るための生活習慣の改善方法などの情報で溢れている。それを読めば、妊娠を望む女性たちがどれだけ不妊に悩み、精神的に苦しんでいるかがわかる。

月経がくることを毎月嘆き落ち込み、泣きながら夫と言い争いになり、子供のいる友人との交流が憂鬱になり、不妊治療のための借金が膨らみ、挙句の果てには夫婦間の妊娠に対する考え方の違いから離婚へ。中には不妊治療中に鬱になる女性もいる。やり場のない怒りに疲れ果て悩んでいる人たちが、実はたくさんいるのだ。

厚生労働省が公表した報告書では、「不妊専門相談センター」の中で、不妊に関する相談対応等を提供する体制に工夫がされている5つのセンターの取り組み事例が紹介されている。⇒【詳細】「不妊のこと、1人で悩まないで-不妊専門相談センターの相談対応を中心とした取組に関する調査-」(厚生労働省)(※1)利用は無料。都道府県、指定都市、中核市等に設置され、計66センター(平成29年7月時点)

 

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