女性の健康ナショナルセンター開設へ、概算要求25億円
厚労省は、女性特有の健康問題に関する研究や治療推進の司令塔となる「ナショナルセンター」機能を国立成育医療研究センター内に構築するため、2024度概算要求額に25億円を計上した。ホルモンバランスの変化やライフステージによって生じる様々な女性の健康問題について、性差やライフステージ毎の分析による病気の解明と、予防・治療の研究推進が目的で、来年度内の開設を目指す(厚労省「令和6年度厚生労働省所管予算概算要求関係」)。女性の健康ナショナルセンターに構築するのは、以下の機能。
■女性の健康に関するデータセンターの構築
- 女性の健康に関する新たな知見を発掘し臨床試験を実施するために、医療機関や研究機関と女性のライフコース毎のデータの収集や解析を行う
- 収集データの解析やAI予測による、新たなエビデンスの創出
- 収集データを全国の研究機関・企業が活用できるように、データ管理や提供を行う窓口を設置
■女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進
- 女性の健康に関する調査・研究に医学的視点だけでなく、社会学や経済学からの研究者を集め、包括的な取組を実施
- 女性特有の疾患領域における治験等を推進するため、オープンイノベーションセンター等を整備
- 女性特有の疾患領域の研究を行う研究機関とネットワークを構築し、企業の治験に協力できる医療機関の紹介等の機能を整備
■情報収集・発信、政策提言
- 「女性の健康」に関するWEBサイトや相談窓口を設置
- 最新の研究成果について、積極的に情報収集・発信、政策提言
■女性の体とこころのケアなどの支援等
- プレコンセプションケアの均てん化のためにモデル事業、調査研究、情報発信等を実施(プレコンセプションケアセンターの新設)
- 産後女性の体とこころのケアや子育てを支援し、安心して子育てができる環境(産後ケアセンター)の整備
- 「妊娠と薬情報センター」の機能を維持して発展させるために、人材、設備、DXの拡充
政府が6月に発表した「子ども未来戦略方針」では、今後3年間、加速化プランとして取り組む主な政策に、「女性が妊娠から産後まで健康で活躍できるよう、国立成育医療研究センターに、『女性の健康』に関するナショナルセンター機能を持たせ、成育医療等の提供に関する研究や相談支援等を進める」と明記していた。国立成育医療研究センターは子どもと妊婦のための病院で、研究所としての役割も担っている。
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