介護美容の可能性「介護殺人・介護疲れ」社会問題の解決にも 

介護施設や家族を介護している人、美容師、エステティシャン、セラピストなど美容のプロたちの間で近年浸透してきているのが「介護美容」。高齢者にエステ、メイク、ネイルケア、理美容、マッサージなどの美容サービスを提供する、いわば介護と美容の融合サービスだ。

2015年の理容師法・美容師法の改正で理美容師の出張サービス「訪問理美容」が可能になり参入事業者が増えたことで、介護を必要とする高齢者への美容サービスは広く知られるようになった。また、美容サービスを受けた高齢女性たちが生き生きした笑顔を見せたりポジティブになるなど精神衛生上にも良いことがわかってきたことも、その必要性や需要の高まりに貢献している。

人気美容家の佐伯チズさんは、家族の介護という自身の経験を生かしたオリジナルの美容介護術を提唱しており、その具体的な方法が、シニア向け女性誌「ときめき2017夏号」で紹介された。軍手をタオル代わりにして頭や耳をマッサージしたり、オロナインに水を混ぜ、乳液代わりに排便の潤滑剤にするなど、どれも身近にあるもので介護の中に美容を取り入れるという佐伯さんならではの方法だ。

ときめき2017夏号 (別冊家庭画報)

介護美容術の紹介にあたり、佐伯さんは次のように言っている。

「美容とは単なる見た目だけではなく、元気だった時の、毎日を楽しんでいた心を取り戻し、身体と心をきれいにしていくこと。そうして介護される方が、気持ちが明るくなったと感じて笑顔になれば、介護する側の喜びにもなります。介護される側もする側も、心も含めて全身できれいになることが、最高の介護だと思うのです。」 (引用:ときめき2017夏号 ,p.65,佐伯チズさんの「介護美容」のススメ)

介護殺人や介護疲れなど、介護する側の追い詰められた心理状態が社会問題化している今、「介護美容」という新たなカテゴリーが、課題解決に向けて大きな役割を担うようになるかもしれない。

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