シニア女性にとってYouTubeは「娯楽」よりも「自分を磨くためのヒント」、普段見る動画トップ20
シニア女性の8割がYouTubeと日常的に接しており、生活の一部として定着していることが、ハルメク生きかた上手研究所の調査で明らかになった。
全年代でトップは「料理の動画」
調査は今年4月に、50代以上の女性493人に実施。普段YouTubeで動画を見ると回答した352人に、どの程度見ているかを7段階(※)でコンテンツ別に評価してもらったところ、次の結果となった。全年代でトップは「料理の動画」だった。2位以降は年代によってランキングが異なるが、全年代で上位に入ったのは、「同世代のライフスタイル」「コンサートやライブ映像」「旅行・観光地」などだった。「健康・医療関連」は、50代は5位、60代は4位、70代以上は2位と、年齢とともに上昇。「美容・メイク・ファッション」は50代と60代は7位と上位だが、70代以上では低下し14位だった。(※)よく見ている:100点、見ている:85点、まあ見ている:65点、どちらともいえない:50点、あまり見ていない:35点、見ていない:15点、全く見ていない:0点 の7段階
動画をよく見る理由は、娯楽や学び
動画をよく見る理由を尋ねた質問では、次の声が集まった。
■料理の動画
・macaroniは一つのテーマで効率のいい簡単料理がいくつも紹介され、我が家の献立に役立つ(62歳)
・簡単な素材や時短で、おいしいアイデア料理を紹介している動画を見て実際に作っている(66歳)
・献立・料理のコツ・レンジを使用した時短調理を参考にしています(73歳)
■コンサートやライブ映像
・いろんなアーティストの動画。YouTubeで古い曲を見たり新しい曲を知ったりする(54歳)
・ミスチルなど公式でライブ映像を公開している時がある(56歳)
・昭和歌謡のYouTube。青春そのもの!何でもほぼ歌えます!とにかく楽しい!(59歳)
・サザンのコンサート。好きなのにチケットが取れないから(64歳)
■健康・医療関連
・血糖おじさんのセルフ治療。コレステロールが高いので健康の参考にしています(59歳)
・Dr Ishiguro。エビデンスがしっかりしている、ためになる健康情報(64歳)
・大阪内視鏡医の内科と腸の医療密着ドキュメンタリー。胃腸が弱いので佐藤先生の説明がよくわかる(75歳)
■旅行・観光地
・一人旅が好きなので、動画を観て次回行ってみたい所を見つけたり、これから旅行する所の名所やグルメの参考にしたりする。また動画を観ていると自分も旅をしている気分になれる(65歳)
■美容・メイク・ファッション
・身近なショップで買える物で、同世代の体型にバランスよく合うおしゃれコーデが参考になる(58歳)
・HASHIMOTO BEAUTY CHANNELは、いくつになっても可愛くいたい大人女子のお化粧の勉強になります(59歳)
■推しの動画
・推しの彼らの素顔が垣間見られる(59歳)
・ライブにはもちろん参戦するが、YouTubeならいつでも好きな時に推しに会えるので…。特に、最近はTV番組がつまらないので、YouTubeを観る時間が多くなってしまう(65歳)
■お金関連
・金融や投資関連テーマの番組は、資産運用の際の勉強になるので(66歳)
■スポーツ観戦
・大相撲が好きで、毎場所必ずテレビで取組を観戦しているが、YouTubeはテレビでは見られない大相撲の楽しさを味わえるから(61歳)
■その他
・外国人が初めて食べる日本食のYouTube。反応が面白いのと英語の表現が勉強になるから(58歳)
・本要約チャンネル。本を買わなくても本の内容を短時間で知ることができるから(64歳)
・すかっとする話、修羅場の話など、面白いエピソードの話を見るのが好きです。見た後気持ちがスッキリします(66歳)
・棒術と薙刀の動画。やってみたいけど、通える範囲に教えてくれるところはない。だから、せめてYouTubeで見たいと思った(69歳)
・スマートフォンやPCの使い方を説明している動画。やり方を説明しながら丁寧に取り扱い方法や新しくなった所の説明、またはPCのワードの使い方の説明など、解説書を見ていても何だか理解出来ない点も懇切丁寧に教えてくれるので、見ていてとても為になる(72歳)
生活の一部として定着、テレビの代替ではなく自分の“居場所”
調査結果を踏まえ同研究所所長の梅津順江氏は次のように述べている。
見えてきたのは「私をもっとよくしたい」という前向きな気持ちで、決して暇つぶしだけではない。娯楽を超えて「自分を磨くための目標やヒント」をくれる存在になっている。
注目すべきは、最初は“学び”だった視聴が、いつの間にか“楽しみ”にかわり、“クセ”になっている点。「ためになる」「勉強になる」から始まり、「面白い」「気がついたら毎日見ている」へとシフトする。役立つ情報がきっかけになり、好きになる、そしてまた見たくなるという好循環が生まれている。さらに注目したいのは、YouTubeを「見ない」と答えた人がわずか15.4%だったこと。8割以上が何らかの形でYouTubeと日常的に接している。まさに、生活の一部として定着。「棒術や薙刀の動画」など意外なジャンルを楽しむ人もおり、「今ここにない世界」に出会える場としても活用されている。
テレビとは違い、YouTubeは自分の関心に応じて選べるパーソナルメディア。「知りたい」「やってみたい」をダイレクトに刺激し、自分のための視聴スタイルを広げられる。自分の好きや好奇心を静かに育てて深めていくこともできる。「自分磨き」と「癒し」、「実用」と「娯楽」のどっちも叶えてくれるYouTubeは、テレビの代替ではなく、自分らしさを深めていく“居場所”として、ますます重要な存在となっていく。
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