【男女の違いvol.32】薬の服用状況、割合が高いのは男性?女性?
女性よりも男性のヘルスリテラシーが低いことが関係しているのか、薬を服用する人の割合が高いのは男性だ。
平成28年版 国民健康・栄養調査では、20歳〜70歳以上の男女別・年齢階級別に薬の服用状況についてまとめている。対象になっている薬は「血圧を下げる薬」「脈の乱れを治す薬」「インスリン注射又は血糖を下げる薬」「コレステロールを下げる薬」「中性脂肪を下げる薬」。このうち1つ以上の薬を服用している人の割合は、男性41.6%、女性35.2%で、男性の方が高い。薬別に見ると「コレステロールを下げる薬」のみ女性の割合が高く(男性:12.3%、女性17.0%)、それ以外は全て男性の方が高い。
年齢階級別に男女それぞれの服用の割合を見ると、40代で男女間に大きく差が現れ始め、以降60代まで男性の服用の割合の方が女性より高い。(平成28年国民健康・栄養調査「薬の服用状況」(厚生労働省))
<男性の薬の服用の割合(1つ以上服用)>
- 20〜29歳(0.6%)
- 30〜39歳(2.6%)
- 40〜49歳(14.2%)
- 50〜59歳(34.2%)
- 60〜69歳(51.8%)
- 70歳以上(64.0%)
<女性の薬の服用の割合(1つ以上服用)>
- 20〜29歳(1.3%)
- 30〜39歳(0.4%)
- 40〜49歳(4.1%)
- 50〜59歳(21.5%)
- 60〜69歳(43.0%)
- 70歳以上(67.6%)
女性は更年期にあたる40〜50代で不調(のぼせ、ほてり、発汗、抑うつ、不眠、イライラ、めまいなど)を感じるが、不定愁訴ととらえて薬の服用に至らないケースが多い。また女性は男性よりもヘルスリテラシーが高く若い時から自分の健康管理ができているので、不調は多くても”基本的に健康”な人が多い。
一方男性は、働き盛りで無理をしやすい40代で体を壊したり、それまでの不摂生がたたって肥満になったり生活習慣病を患う人が増えてくる。女性のようにダイエットのために日常的に体重管理をしたり、美肌や健康のために体に良い食事を摂ったり体を温めるなどのヘルスケア意識も低い。
そのような日々の意識や行動の差が、40代以降で男性の薬の服用する割合を一気に高めているのかもしれない。
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