男女で異なる有訴者率と、女性特有の不調
男女別に有訴者率(※1)を見ると、女性特有の体の不調が見えてくる。厚生労働省が公表している平成28年 国民生活基礎調査の概況「Ⅲ 世帯員の健康状況(※2)」では、男女別の自覚症状の状況について調べており、男女それぞれ上位5症状は次のようになった。着目したいのは、全体的に女性の有訴者率が高いことと、男女で上位5症状が異なる点。
(※1)人口1,000人あたりの、病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)の比率
(※2)2019年4月現在で最新の「世帯員の健康状況」。「世帯員の健康状況」に関して、次回公表は2020年夏頃
男性の有訴者率上位5症状
- 腰痛(91.8)
- 肩こり(57.0)
- せきやたんが出る(50.5)
- 息がつまる・鼻汁が出る(49.5)
- 手足の関節が痛む(40.7)
女性の有訴者率上位5症状
- 肩こり(117.5)
- 腰痛(115.5)
- 手足の関節が痛む(70.2)
- 体がだるい(53.9)
- 頭痛(50.6)
筋肉量が少ないことや体の冷えが要因で、女性に肩こり・腰痛持ちが多いことが知られている通り、調査結果からも、男性よりも女性が圧倒的に多いことがわかる。加えて男性にはなく女性に多い症状が「体がだるい」「頭痛」。生涯にわたり心身が女性ホルモンの影響を受け、さらに自律神経も乱れやすい女性ならではの症状と言えるだろう。
上の調査結果は全年齢における上位5症状のため、年齢別にランキング化したら異なる結果が出るかもしれないが、「肩こり」「腰痛」「体がだるい」に関しては、年齢関係なく多くの女性が日頃から感じている不調。
30〜70代女性の健康悩みに関する他の調査結果でも、「肩こり・腰痛」、「疲れが抜けない」、「頭痛がよくある」は上位10位に入っており、また、働く女性を対象にした調査では、「疲れやすい」を感じる人が最も多かった。
性差により、有訴者率や症状が異なることを理解したい。
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