変形性膝関節症、女性に多く発症「若い人には関係ないと思っていた」

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膝関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが起きる「変形性膝関節症」の有病者数は推計2,530万人(公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団)。男性より女性に多く発症する。加齢、肥満、外傷などが原因とされているが、女性に多く発症する理由は女性ホルモンの減少が関係しているという。

変形性膝関節症に関するブログ、Twitter投稿

ブログやTwitterでは変形性膝関節症の闘病の様子や克服した経緯、日々の過ごし方の工夫などについて綴られている。

痛みによる日常生活への影響

変形性膝関節症に伴う痛みで日常生活にどのような影響があるのか?塩野義製薬(大阪)と日本イーライリリー(兵庫・神戸)が実施した調査によると、以下の結果となった(調査対象:20歳以上男女/医療機関で変形性関節症と診断され、現在治療中または治療を行っていた人、且つ医療機関を受診した際、変形性関節症による痛みの症状が膝にあった人)

変形性膝関節症の痛みに伴う日常生活への影響

出典:「変形性関節症の痛みに対する患者・医師の意識・実態調査」塩野義製薬、日本イーライリリー

  • 1位:立ち上がる、しゃがむなどの動作(65.3%)
  • 2位:階段の上がり下がり(64.1%)
  • 3位:正座(60.9%)
  • 4位:歩行(55.4%)
  • 5位:運動や体操(38.6%)
  • 6位:起床(25.0%)
  • 7位:トイレ(21.1%)
  • 8位:掃除・洗濯(20.5%)
  • 9位:買い物(19.8%)
  • 10位:仕事(16.1%)
  • 11位:着替え(11.8%)
  • 12位:入浴(11.0%)
  • 13位:趣味(10.5%)
  • 14位:睡眠(8.1%)
  • 15位:料理(7.2%)
  • 16位:食事(1.2%)
  • 17位:その他(1.9%)
  • 18位:特になし(3.3%)

受診までにかかった期間、半数が3カ月以上

痛みを放置したり自己判断によるセルフケアを行う人もいるが、早期に受診し適切な治療を受けたり生活習慣の改善や運動療法に取り組むことで、症状の改善や進行を食い止めることが期待できる。

しかし、膝の痛みを感じても早い段階で医療機関を受診する人は多くはないようだ。痛みを感じてから実際に医療機関を受診するまで約半数の人が3カ月以上かかっており、そのうち7.4%は3年以上も経過してから受診している。

変形性膝関節症に伴う症状で医療機関を受診するまでにかかった期間

出典:「変形性関節症の痛みに対する患者・医師の意識・実態調査」塩野義製薬、日本イーライリリー

受診までに時間がかかった理由

では、なぜ受診するまでに時間を要したのか?理由は次の通り。

変形性膝関節症の痛みで医療機関を受診するまでに時間がかかった理由

出典:「変形性関節症の痛みに対する患者・医師の意識・実態調査」塩野義製薬、日本イーライリリー

  • 1位:そのうち痛みが治まると思ったから(41.5%)
  • 2位:痛みがずっと続くわけではなく、治まっているときもあったから(38.7%)
  • 3位:医療機関を受診するほどの痛みではなかったから(22.6%)
  • 4位:年齢的な体の衰えや運動不足などが原因で、疾患だと思わなかったから(22.1%)
  • 5位:医療機関を受診する時間が取れなかったから(12.0%)
  • 6位:サプリメントなどで対処できていたから(5.5%)
  • 7位:その他(6.0%)
  • 8位:特に理由はない(6.0%)

ネット上の投稿を観察していると、膝の痛みの理由が分からず、やっとのことで変形性膝関節症であることに気付くケースが見られた。中には「関節の痛みと言えば、おじいちゃんおばぁちゃんのものだと思っていたが、まさか自分が変形性膝関節症になるとは…」「若い人には関係ないと思ってた」という投稿も。“高齢者のもの”というイメージが強い不調や病気は、若い世代には「自分には関係ない」と思われがち。企業や医療機関による積極的な情報発信、啓発が必要だ。

 

 

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