日本ハムのマーケターが最優秀賞、ヒット商品や画期的ビジネスモデルを生んだ各社の戦略
日経BPが、今回で8回目となる「マーケター・オブ・ザ・イヤー2025」を発表した。昨年9月から今年8月までに発売された商品・サービスで結果を残した人物、または、それ以前の発売でも同期間に目覚ましい成果を上げた人物を対象にしたアワード。「志」「挑戦」「便益」に加え、どのような手段を用いて顧客の課題解決を試みたかを評価する「実行」と、新たな視点で世の中に価値提供ができたかを見極める「話題性」の5項目で審査を行った。
目次
味を伏せたネーミングで夕食需要開拓(日本ハム)
大賞を受賞したのは、日本ハムの岡村氏と加藤氏。発売40周年を迎えたロングセラーブランド「シャウエッセン」は、朝と昼に食べる人が約8割を占めるなど需要が固定化する中、若年層を中心に、夜に喫食する層が一定数いることに着目した。あえて具体的な味を伏せた「夜味」というネーミングで、夕食需要を開拓。岡村氏がプロモーションを指揮し、加藤氏が味の開発を担当した。
スクラム型の商品開発体制でヒット連発(花王)
優秀賞は花王の野原氏。全社的なブランド改革で、各部門を横断した「スクラム型」の商品開発体制を導入し、よりスピーディーな開発体制を構築した。1年半以内に3つの新ブランド「melt」「THE ANSWER」「MEMEME」を展開するだけでなく、3つの既存ブランドを刷新。生活者目線に立ち返ったマーケティングによるヒット連発が評価された。
ギフト需要の開拓でヒットへ、100万セットを突破(TENTIAL)
2人目の優秀賞は、TENTIALの岩松氏。累計販売数100万セットを突破した就寝用リカバリーウエア「BAKUNE」シリーズのマーケティングを指揮。特殊素材の採用で血行促進・疲労回復を促す新機軸商品を、アスリートの意見を反映したりギフト需要の開拓などでヒットに導いた。質の高い睡眠をもたらすことで、日本人の短い睡眠時間を補い得る存在として社会的意義も認められた。
インサイトを探って2,000万食超えのヒット商品に(丸亀製麺)
3人目の優秀賞は、丸亀製麺の南雲氏。徹底した消費者調査から得たインサイトを基に、丸亀製麺のうどん粉を使った新商品「丸亀うどーなつ」を開発し、2,000万食を超えるヒット商品に。特に女性や若年層といった新規顧客の来店につなげた。また、生成AIを生かしたツールなどを用いて従業員の内発的動機を高めることで、強固なブランドを構築している。
過疎化地域への出店を強化(ローソン)
4人目の優秀賞は、ローソンの高橋氏。高齢化や人口減少などで、近隣のスーパーが相次いで撤退している過疎化地域への出店を強化。出店後にはKDDIの位置情報データと自社独自の統計データを併用して次の出店計画に活用するなど、事業としての継続性も担保。24年10月にオープンした「ローソン龍神村西店」では、全店平均販売比で冷凍食品が約4倍、生鮮食品が約5倍の売り上げを達成した。
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