産婦人科医が感じる課題と検討者へのアドバイス、卵子凍結に関する意識調査
卵子凍結は女性の生き方や働き方の選択肢を広げる手段として近年注目度が高まっているが、社会にも女性自身にも、まだまだ正しく認知されていないという課題が指摘されている。この状況に対し、産婦人科医はどのような見解を示しているのか?オンラインピル診療サービスのmederi(東京・目黒)が、産婦人科医を対象に意識調査を実施した(調査対象:同社が運営するオンラインピル診療サービスの「mederi Pill」にてオンライン診療を担当している産婦人科医13名)。
目次
調査結果
卵子凍結は正しく認知されていない、7割
産婦人科医に「卵子凍結について、社会で正しく認知されていると思うか?」と聞いたところ、77%が「思わない」と回答した。卵子凍結への一般的な認知と理解は未だ不十分であり、懸念する医師の割合が高い状況が明らかになった。
「より広く周知されるべき」と思う情報
「卵子凍結に関してより広く周知されるべき情報」を聞いた質問では、以下が挙げられた。
- 成功率
- 失敗率
- 適正年齢
- プロセス
「誤認されているため、正すべき」と思う情報
「世の中で誤認されており、正すべき情報」としては、以下の声が挙がった。
- 凍結しておいた卵子が必ずしもすべて受精し着床するわけではない
- 高齢妊娠はハイリスクであり、卵子凍結であっても必ずしも全てが着床するわけではない
- 凍結しておけば何歳でも産めるわけではない
- リスクや副作用がないわけではない
- 受精卵凍結と卵子凍結の違い、体外受精の違い
卵子凍結のメリットとデメリット
続いて、卵子凍結のメリットとデメリットを聞いた。メリットについては、女性のライフプランが強調された。
- 選択肢が増えること
- 自身のキャリア設計が考えやすくなること
一方で、デメリットについてはリスク面が挙げられた。
- コストに見合う妊娠成功率なのかが不明
- 卵子を受精させて妊娠できても、本人の年齢が高ければ妊娠時の合併症などのリスクは上がる
- ハイリスク妊娠が増加する
情報収集のポイント
「卵子凍結を検討する際の情報収集に関するアドバイス」を聞いた質問では、経験者や専門医の情報を参考にすることが推奨された。
- 卵子凍結の経験者からのクチコミを参考にする
- リスクや成功率について医療機関で専門医に尋ねる
- クリニックのWebサイトやYouTube、治療経験者のYouTubeなどを視聴する
- 日本産婦人科学会の動画をまずは視聴する
クリニック選びのポイント
「卵子凍結を実施するクリニック選びにおいて最も重視すべき点」については、専門性や技術の充実度が挙げられた。
- 経験豊富な医師や専門スタッフがいるかどうか
- 卵子凍結および妊娠成功率の実績
- 設備や技術の充実度
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