【開催報告】調剤薬局・医療施設・介護施設への販路開拓を徹底解説 ~業界商習慣・規制・営業戦略~
当メディア運営のウーマンズは先月28日、「調剤薬局・医療施設・介護施設への販路開拓」をテーマにした勉強会を開催しました。当日は、医薬品メーカー、医療機器メーカー、食品メーカー、アパレルメーカー、デジタルマーケティング支援サービス、コンサルティングサービスなどの企業様にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。本稿では、開催報告として勉強会の概要をお伝えします。
開催報告レポート
登壇は、全国の調剤薬局やクリニック、介護施設、ドラッグストアやホームセンターなど量販店におけるラウンド事業を40年間にわたり行う(株)フィールドマーケティングシステムズ(東京・中央)。医薬品、健康食品、衛生用品、介護食、化粧品、ベビー用品、アプリなど、多様なヘルスケアカテゴリーの商品をメーカーに代わって全国で営業・売り場管理・店頭プロモーションを行う中で得た専門知見をベースに、同社の三部智之氏に2部構成でお話いただきました。
第一部:業界動向
第一部では販路開拓先としての可能性を探るため、調剤薬局・医療施設・介護施設それぞれの市場規模や施設数の近年の動向、商品の取り扱い状況、販路開拓先として有望視されている理由などの業界動向を概説しました。
第二部:営業戦略設計のための基礎知識
第二部では、調剤薬局・医療施設・介護施設への効果的な営業戦略を探るセッションとして、業界特有の商習慣やマナー、規制、顧客層、取り扱われやすい商品=売れやすい商品の特徴を、実際の現場で得た知見とデータをもとに詳説。
例えば調剤薬局への営業における留意点としては、「ドラッグストアで取り扱っている商品は好まれない」「商品の在庫管理スペースが狭いため、発注単位は小さいほど好まれる」「展示スペースがほとんどないため、極力小さい陳列什器やリーフレットが必要」などを挙げました。近年、調剤薬局は処方薬以外の収益を模索する中で物販に積極的である一方で、ドラッグストアと比べて1軒あたりの販売力が小さいことから費用対効果が得られづらく、こういった販路開拓先としての”ポテンシャル”と”課題”の両面に言及しました。
医療施設においては、物販に”積極的な診療科”と”消極的な診療科”があるといい、同社のこれまでの営業活動で得た知見をもとに、一般内科・産婦人科・皮膚科・歯科・美容整形外科などを例に、その傾向の違いを解説。また、クリニックに訪問営業した際の面談者の内訳や、訪問時に「商品紹介ができたか?」「販促資材を設置できたか?」「サンプル提供ができたか?」など、営業戦略設計の参考になる同社のデータも紹介しました。
その他、介護施設や歯科クリニックへの営業における留意点や、地域別の営業活動の結果についてもデータで示しました。
Q&A
最後のQ&Aの時間では、「医者は、どういう商品だと患者にすすめてくれるのか?」「そもそも薬剤師など調剤薬局のスタッフは、薬の処方で忙しい。商品の販促に積極的になってくれるものなのか?」「一般企業に対する営業とは異なる営業マナーや進め方があると思うのだが、どのようにアポ取りをすれば良いのか?」「調剤薬局、介護施設、医療クリニックの3種のうち、最も物販に適してるのはどこか?」「介護施設は取引事業者がすでに入っているため差し替え提案はハードルが高いとのことだが、調剤薬局と医療施設は差し替え提案は受け入れられやすいか?」など多様な質問が参加者から寄せられ、同氏より1件ずつ回答しました。
次回開催について
2024.12.4(水)開催
\健康食品の業界紙編集長が徹底解説/
フェムケア製品の相次ぐ上市、紅麹問題によるサプリ業界への打撃、機能性表示食品制度の見直し、コロナ収束による海外市場への展開拡大など、健康食品市場を取り巻く環境はこの1年で大きく変化しました。健康食品の業界人が2025年のビジネス拡大に備え、必須で押さえておくべき2024年の主要ニュースを振り返りながら、2025年の市場を展望します。1時間で大量の情報をインプットしていただけます。詳細・お申し込みはこちら。
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