女性従業員の数・比率よりも勤続年数と関連、女性の健康課題に積極的な企業の特徴
女性が長く働いている職場では、女性の健康課題への取組みが進みやすいことが、厚労省の調査でわかった(女性活躍に関する調査)。2015年に制定された「女性活躍推進法」の浸透状況と課題を明らかにすることを目的に、全国15,000社を対象に2023年12月~2024年1月に実施したもの(有効回答件数2,738件)。全従業員に占める女性の割合や管理職の割合、昇進者の有無などの女性従業員の実態や、女性活躍推進法に基づく行動計画の作成や情報公開の有無など、企業側の取組み状況を聞いた。
女性活躍推進法には健康に関する取組みの推奨は明記していないものの、昨今の健康経営への注目や、働く女性の健康課題を解決する重要性が浮彫りとなった背景から、女性の健康課題に対する企業の取組み状況も調べた。女性の健康課題を4つの領域「生理・PMS」「女性特有の疾患等または女性に多い疾患(生理・PMS関連以外の疾病、子宮頸がん、乳がん等)」「更年期」「不妊治療」に分け、健康課題への取組みと平均勤続年数の関係を分析したところ、女性の勤続年数が長いほど、女性の健康課題への取組みの実施率が高いことがわかった。「女性労働者比率」「女性正社員比率」「女性管理職比率」と「女性の健康課題への取組み」には、いずれも関連性がみられなかった。
【編集部おすすめ記事】
■なでしこ銘柄の評価項目に「フェムテックの活用」を追加 女性従業員の健康支援促進に
■女性従業員の健康課題、どう支援している? 企業事例4選
■女性の健康課題の対処で、2040年までに世界で年間1兆ドルの経済効果
■「女性の健康」に力を入れている企業は1割未満
■女性が休みやすい環境づくりを、「生理休暇」の改称や休暇制度の新設が加速
■【レポート】売れるフェムテックの「開発」と「販売戦略」 17の障壁と対策