【Weekly News】7省庁の概算要求から見る、2027年度のヘルスケア重点施策

女性ヘルスケア市場を日々ウォッチしている編集部が、今押さえておきたいニュースを厳選して紹介する週間ハイライト「Weekly News」。今週からの仕事に役立つ政策動向や業界の動きなどを、まとめてチェック!Weekly Newsは、週1回配信のニュースレターから受け取れます。

Weekly News 7選

【厚労省】概算要求で「攻めの予防医療」に509億円 女性の健康施策を強化、ICWHに40億円

厚生労働省は8月31日、令和9年度予算の概算要求を公表した。一般会計の要求額は36兆5803億円で、令和8年度当初予算から1兆5370億円増え、過去最大規模となった。新設の「『強く豊かな日本』投資枠」を活用し、創薬・先端医療、医療DX、AI活用などへの投資を強化する。重点施策は、「官民連携の国内投資」「賃上げ環境整備・労働市場改革」「持続可能な社会保障制度の構築」を柱とする。

健康づくり関連では、「攻めの予防医療」に509億円(前年度302億円)を要求。女性の健康をその中に位置付け、性差に由来する健康課題に対応する医療や、ライフステージに応じた健康課題への対応を推進する。具体策として、女性の健康総合センター(ICWH)の体制強化・運営に40億円(同28億円)を要求し、女性のライフコースに伴う健康課題に関する研究、情報収集・発信、人材育成、診療機能などを強化する。また、女性の健康対策推進事業には17億円(同0.24億円)を要求し、更年期などライフステージに応じた女性の健康課題への相談支援や診療体制、普及啓発などを推進する。

「攻めの予防医療」ではこのほか、適切な栄養・食生活に関するリテラシー向上、がん検診や生活習慣病に関する健診・受診勧奨、健康寿命延伸に向けた歯科健診、認知症の予防・早期対応などを盛り込んだ。データヘルスを基盤とした「AI予防医療モデル」の構築や、睡眠・肥満症予防を含む「スマート・ライフ・プロジェクト」の推進も掲げる(詳細)。

 

【経産省】概算要求7.8兆円、「医療・健康推進事業」は1837億円に大幅拡大 予防・健康づくりの社会実装を強化

経済産業省は8月31日、令和9年度予算の概算要求を公表した。一般会計と特別会計を合わせた要求額は約7兆7859億円で、令和8年度当初予算の3兆693億円から大幅に増加した。AI・半導体・ロボット、経済安全保障、資源・エネルギー・GXなどを重点分野とし、新設の「『強く豊かな日本』投資枠」を活用して成長投資を強化する。

ヘルスケア領域では、予防・健康づくりから医療機器、創薬・再生医療までを含む「医療・健康推進事業」に1837億円(前年度139億円)を要求した。予防・健康づくりでは、「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業」に17億円(同11億円)を要求。ヘルスケアサービスの導入による行動変容や予防効果、費用対効果などのエビデンス構築、学会による指針の作成・更新、健康データを活用したサービス開発などを支援する。また、「予防・健康づくりの社会実装加速化事業」には2.0億円(同2.0億円)を要求し、学会指針や研究成果を企業・自治体・健康保険組合などが活用できる基盤整備や、ヘルスケアサービス開発への伴走支援を進める。

医療機器分野では、「医療機器スタートアップ等エコシステム強化事業」に1000億円(同38億円)を要求。スタートアップによる医療機器開発に加え、デジタルヘルスケア機器の導入効果に関するエビデンス構築や、AI・ICTを活用した介護テクノロジーの社会実装などを支援する。

このほか、「ヘルスケア産業基盤高度化推進事業」には12億円(同6.6億円)を要求。健康経営の中小企業への普及や効果の可視化、PHRを活用したサービスの創出、多様化する介護需要に対応する「産福共創」モデルの社会実装、ヘルスケアスタートアップの実証・社会実装支援などを進める(詳細)。

 

【こども家庭庁】概算要求は過去最大7.7兆円、自殺対策を強化、プレコン・産後ケア・母子保健DXを推進

こども家庭庁は8月31日、令和9年度予算の概算要求を公表した。一般会計と特別会計を合わせた要求額は7兆7436億円で、令和8年度当初予算から2480億円増え、過去最大となった。「国力の基盤につながるこども施策」を掲げ、こども・若者への投資を強化する。

新規・拡充施策では、令和7年の小中高生の自殺者数が過去最多の538人となったことを受け、自殺対策に12.9億円を要求。うち10.4億円で新たな交付金を創設し、自治体における関係機関の連携体制の構築や、自殺リスクの高いこどもへの相談・専門支援などを強化する。ICT・AIを活用した自殺防止ツールの開発促進にも0.5億円を要求する。

女性の健康に関わる施策では、「プレコンセプションケア普及推進事業」に3億円を要求。自治体・企業・教育機関などで、性や健康に関する正しい知識の普及を担う「プレコンサポーター」の養成を進めるほか、若年世代への情報発信などを強化する。また、「性と健康の相談センター事業」には6億円を要求し、不妊・不育、妊娠・出産、思春期や性の悩みなどへの相談支援や、企業・教育機関への出前講座、プレコンセプションケアに関する相談支援などを進める。妊娠・出産後の支援では、「産後ケア事業」に104億円を要求し、出産後1年以内の母子への心身のケアや育児支援の提供体制を拡充する。母子保健DXでは、新規の「母子保健デジタル化等支援事業」に13億円を要求。電子版母子健康手帳などの全国展開に向け、PMHを活用した母子保健事業を導入する自治体・医療機関への導入・定着を支援する(詳細)。

 

【スポーツ庁】概算要求578億円、企業の運動・健康づくりに20億円 女性アスリートの健康支援も強化

スポーツ庁は8月26日、令和9年度予算の概算要求として578億円を要求した。令和8年度当初予算の368億円から210億円増額し、運動・スポーツを通じた「健康インフラ」の構築やスポーツ産業の成長、競技力向上などを推進する。

現役世代の運動促進に向けた施策では、「運動・スポーツを活用した企業人材等の健康インフラ整備支援事業」を20億円で新規要求。都道府県などを通じて企業の運動・スポーツの取り組みを支援し、従業員の心身の健康増進に加え、人材の定着や生産性の維持・向上、就労期間の延伸につなげる。就業時間中の運動機会の提供や運動指導者の派遣、運動機器の購入、取り組みの効果に関するエビデンスの蓄積・分析などを支援する。あわせて、「Sport in Life推進プロジェクト」には2億円(同0.7億円)を要求し、運動・スポーツ関連サービスを提供する企業と、導入を希望する企業とのBtoBマッチング機能を強化する。

また、企業や大学・学校などの運動施設を地域に開放して「コミュニティ・ジム」化する事業を拡充し、10億円(同1.2億円)を要求。働き盛り・子育て世代などが身近な場所で継続的に運動できる環境を整備する。

女性に関わる施策では、「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」に1.5億円(同1.3億円)を要求。月経随伴症状など女性特有の健康課題への医・科学的支援に加え、妊娠期・産後のメディカルチェックや栄養・トレーニング支援、託児や遠征時の育児支援などを進める(詳細)。

 

【内閣府】概算要求、女性活躍に27億円 「女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり」を拡充

内閣府は令和9年度予算の概算要求を公表し、一般会計で1兆240億円を要求した。女性活躍・男女共同参画では、「あらゆる分野における女性の活躍」に27.3億円(令和8年度12.4億円)を要求。このうち「女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり」には24.4億円(同9.9億円)を充て、男女共同参画センターと企業・経済団体との連携や、成長分野・デジタル分野における女性人材の育成・登用などを支援する。

孤独・孤立対策には12.7億円(同2.4億円)を要求し、大幅に拡充する。自治体における官・民・NPOなどの連携基盤の整備や、悩みを抱える人を地域の居場所などにつなぐ取り組みを支援するほか、身の周りの孤独・孤立を抱えた人をできる範囲でサポートする「つながりサポーター」の養成・普及、相談窓口の設置、民間企業におけるつながりづくりの支援などを進める。孤独・孤立の予防や早期対応につながるNPOなどの取り組みを調査し、全国展開する事業も拡充する。

高齢社会対策には1.3億円(同0.3億円)を要求。高齢者を含む幅広い世代の社会参加を促すため、地域活動と住民をつなぐ「モザイク型マッチング」など、多様な主体が連携して地域課題を解決する仕組みの実証に取り組む(詳細)。

 

【農水省】概算要求3.1兆円、フードテックに502億円 女性が働きやすい農業環境の整備も強化

農林水産省は8月31日、令和9年度予算の概算要求を公表した。総額は3兆1377億円で、令和8年度当初予算の2兆2956億円から8421億円増加した。日本成長戦略などを踏まえた「『強く豊かな日本』投資枠」には4272億円を要求し、農林水産業の構造転換による成長産業化と食料安全保障の強化を進める。

食品分野では、フードテックの推進に502億円(同1億円)を要求。植物工場、陸上養殖、食品機械、新規食品の4分野を対象に、基盤技術の研究開発、スタートアップによる大規模実証、海外展開、人材育成などを総合的に支援し、官民投資を促進する。食品アクセスの確保では、フードバンクの機能強化などに6.25億円(同0.15億円)を要求。食品事業者からの大口寄附を受け入れる体制の構築や、自治体、食品事業者、フードバンク、こども食堂などが連携する地域体制の整備を支援する。このほか、買物困難者へのラストワンマイル配送なども進める。

女性関連では、「女性が変える未来の農業推進事業」に3.4億円(同0.7億円)を要求。男女別トイレや更衣室、託児スペースなど女性が働きやすい環境の整備、女性農業経営者・リーダーの育成、育児と農作業の両立支援、女性の参画・登用に向けた地域のジェンダーギャップ解消などを進める(詳細)。

 

【消費者庁】概算要求198億円、フードテック食品のリスク管理を新規で推進

消費者庁は8月31日、令和9年度予算の概算要求を公表した。一般会計で197.9億円を要求した。食品分野では、新規で「フードテック食品のリスク管理手法の検討」に1.2億円を要求。フードテック食品などの安全性確保に向けた検討を進める。また、食品表示制度の適切な運用や機能性表示食品の信頼性確保などに4.3億円(同4.2億円)、食品安全に関するリスクコミュニケーションに1.4億円(同1.1億円)を要求。食品の規格基準の検討・策定や、サプリメントに関する規制の在り方の検討なども進める(詳細)。

 

 

女性ヘルスケア市場はどうなる?

2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版  市場動向予測 ~健康トレンド・業界動向・女性ニーズ~」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート(PC)

 

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