日本人女性の生理用タンポン使用率は1割、TSS認知は2割未満 安全な使用に課題

米国ではタンポン使用者が4〜5割との研究報告がある一方、日本はわずか1割。国内の研究で明らかになった。タンポンは国内では生理用品の主要な選択肢とはなっていないものの、使用方法やリスクに関する認知には課題もみられる。生理ケアが多様化する中、安全な使用を支える月経教育の重要性が浮き彫りになった。

日本人女性のタンポン使用状況は?

名古屋大学の西尾七海氏らの研究グループが、日本人女性のタンポン使用実態を調査。使用率や安全な使用に向けた知識や行動に課題があることを明らかにした。研究成果は今年5月、学術誌『日本公衆衛生雑誌』に掲載された。

使用実態やTSS認知度を調査

タンポンは経血を吸収する生理用品の一つで、下着の汚れを防ぎやすいなどの特徴がある。環境意識の高まりやライフスタイルの多様化などを背景に、国内でも生理用品が多様化しているものの、日本人女性のタンポンの正確な使用実態などは明らかになっていなかった。そこで研究グループは日本人女性を対象に、タンポンの使用実態とそれに関連する心理的・社会的要因、トキシックショック症候群(以下、TSS※)などに関する認知度を調べた。

対象は、18~54歳の日本人女性約1万4千人。インターネット調査で、タンポンの使用状況や使用理由などを調べた。さらに、その中から現在使用している人、過去に使用していた人、使用経験がない人の3群、計2861人を抽出し、安全な使用方法、TSSの認知度、月経症状や経済状況などを比較・解析した。

(※)トキシックショック症候群:タンポンなどの使用に関連して発症することがある感染症。まれだが、重症化すると命に関わる。

タンポン使用率1割、TSS認知2割未満

解析の結果、タンポンを現在使用している女性は約13%、過去に使用していた女性は約29%、使用経験がない女性は約58%だった。現在の使用理由では「下着が汚れることがほとんどない」が約52%で最も多かった。

「日本人女性における月経時のタンポン使用実態」『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

【出典】日本人女性における月経時のタンポン使用実態『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

 

一方、現在の使用者では、使用前に手指衛生を行っていない人が約25%、TSSを「知っている」と回答した人が約16%にとどまった。また、一般的にタンポンは8時間を超えて使用しないことが推奨されている中、9時間以上使用している人も約8%みられた。

「日本人女性における月経時のタンポン使用実態」『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

【出典】日本人女性における月経時のタンポン使用実態『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

 

さらに、現在の使用者では、過去使用者や未使用者と比べて下腹部痛や腰痛といった月経症状の申告数が有意に多かった。また、タンポンの使用状況と、経済的な理由で生理用品を購入できなかった経験との間にも関連が認められた。

「日本人女性における月経時のタンポン使用実態」『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

【出典】「日本人女性における月経時のタンポン使用実態」『日本公衆衛生雑誌』73巻5号

 

安全なタンポン使用に向けた啓発を

研究グループは、日本の生理用タンポン使用者の割合は13%と低いことを明らかにした。また、タンポンを安全に使用するためには、適切な使用方法やTSSに関する知識を含めた啓発が重要だとしている。さらに、生理用品を経済的な理由で購入できなかった経験との関連もみられたことから、生理用品へのアクセスを含めた支援の必要性に言及している。一方、今回の研究は横断研究であり、タンポン使用と月経症状との因果関係は判断できず、今後さらなる検討が必要としている。

 

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