いびきアプリ 医療現場での活用進む(1/3)
疲れていたりアルコールや喫煙により出やすい“いびき”の裏には、実は怖い病気が隠れていることも。その早期発見に役立つのがいびきアプリ。従来は大掛かりで難しかったいびきの計測を自宅で誰もが簡単にできると、医療業界も太鼓判を押す。一般的に男性のイメージが強いが、いびきは更年期以降の女性にも見られるので女性も要注意。いびきアプリってどんなことができる?
目次
いびきアプリとは?
睡眠中のいびきを録音・記録する、いびき対策アプリ
いびきアプリとは、睡眠時の体動や音声を検出し睡眠状態を計測するアプリのこと。アラーム機能が付いており、目覚まし時計としても活用できる。いびきアプリが登場する前は、いびきの解析方法は大掛かりのため一般的ではなかったが、いびきアプリが登場したことで、誰もが簡単に自宅でいびきの状態を確認・解析できるようになり、さらにはいびきから睡眠状態の質を計測することも可能となった。
いびき対策はなぜ必要?
いびきとは、気道が狭くなることで息を吸うときに喉が振動して音が出ること。睡眠中は喉を支える筋肉が緩むため、気道が狭くなる。いびきは病気のサインでもあるため、自身のいびきの有無を確認して、予防・対策することが必要だ。
- 《いびきの原因》
・喉の形、体質:喉や鼻の形が変形している人や曲がっている人、歯並びが悪い人は空気の出入りがスムーズにいきにくく、いびきをかきやすい
・肥満:首回りに脂肪がつき気道を圧迫してしまう。また酸素の必要量が増えることも要因
・喫煙、飲酒:喫煙は気道周辺に炎症を起こし、飲酒は気道の収縮を引き起こす
・睡眠時無呼吸症候群:眠っている間に呼吸困難に陥り、無呼吸状態になる病気。睡眠時にのどの気道がふさがれることで、狭い隙間を空気が通ろうとして、大きないびきが生じる
・脳血管疾患:脳出血や脳梗塞といった脳血管疾患が原因で舌がのどの奥に下がり、いびきをかくことがある
いびきアプリを利用するのはどんな人?
【自分のいびきの有無を確認したい人】
特に一人暮らしの人は周囲から指摘される機会が少ないため気づきにくい。アプリなら、人からの指摘を受けずしていびきの有無を確認できる。
【家族などにいびきの状態を自覚してほしい人】
過度ないびきが常態化していて、本人のいびき対策の意識を高めさせたいと考える家族にとっても便利。いびきは本人が自覚しにくいことが多く、周囲が本人にアドバイスをする際にアプリを用いる。
【睡眠時無呼吸症候群の治療をしている人】
睡眠時無呼吸の有無の確認や、睡眠時無呼吸症候群の治療後、自宅での経過観察のため活用する人もいる。
【更年期以降の女性で、いびきが気になりだした人】
いびきは男性よりも女性の方が少ないが、女性ホルモンの減少で更年期以降にいびきが出始める女性もいる。更年期症状の改善、睡眠時無呼吸の改善を目的に利用する。
【自分の寝言を録音したい人】
おもしろ半分だが、いびきアプリで睡眠中の録音ができるので、寝言を聞くために使う人もいる。アプリによっては寝言をシェアする機能もあり、ランキング形式で聞くこともできる。
【寝具の相性を確かめたい人】
寝具を変えたときのいびきの有無をチェックすることで、新しい寝具がどれくらい睡眠の質を向上させてくれるか確認できる。体動やいびきの量・有無によって、どれくらい深く眠れているかが分かるため、寝具との相性を測るのに便利。
【睡眠の質を上げたい人】
アプリによっては、眠りの浅さ・深さをグラフ化してくれるものもあり、レム睡眠とノンレム睡眠が規則正しいサイクルで訪れているかチェックできる。さらに眠りの深さや睡眠時間、体動・いびきの有無によって「快眠度」を計測することも可能。