いびきアプリ 医療現場での活用進む
疲れていたりアルコールや喫煙により出やすい“いびき”の裏には、実は怖い病気が隠れていることも。その早期発見に役立つのがいびきアプリ。従来は大掛かりで難しかったいびきの計測を自宅で誰もが簡単にできると、医療業界も太鼓判を押す。一般的に男性のイメージが強いが、いびきは更年期以降の女性にも見られるので女性も要注意。いびきアプリってどんなことができる?
目次
いびきアプリとは?
睡眠中のいびきを録音・記録する、いびき対策アプリ
いびきアプリとは、睡眠時の体動や音声を検出し睡眠状態を計測するアプリのこと。アラーム機能が付いており、目覚まし時計としても活用できる。いびきアプリが登場する前は、いびきの解析方法は大掛かりのため一般的ではなかったが、いびきアプリが登場したことで、誰もが簡単に自宅でいびきの状態を確認・解析できるようになり、さらにはいびきから睡眠状態の質を計測することも可能となった。
いびき対策はなぜ必要?
いびきとは、気道が狭くなることで息を吸うときに喉が振動して音が出ること。睡眠中は喉を支える筋肉が緩むため、気道が狭くなる。いびきは病気のサインでもあるため、自身のいびきの有無を確認して、予防・対策することが必要だ。
- 《いびきの原因》
・喉の形、体質:喉や鼻の形が変形している人や曲がっている人、歯並びが悪い人は空気の出入りがスムーズにいきにくく、いびきをかきやすい
・肥満:首回りに脂肪がつき気道を圧迫してしまう。また酸素の必要量が増えることも要因
・喫煙、飲酒:喫煙は気道周辺に炎症を起こし、飲酒は気道の収縮を引き起こす
・睡眠時無呼吸症候群:眠っている間に呼吸困難に陥り、無呼吸状態になる病気。睡眠時にのどの気道がふさがれることで、狭い隙間を空気が通ろうとして、大きないびきが生じる
・脳血管疾患:脳出血や脳梗塞といった脳血管疾患が原因で舌がのどの奥に下がり、いびきをかくことがある
いびきアプリを利用するのはどんな人?
【自分のいびきの有無を確認したい人】
特に一人暮らしの人は周囲から指摘される機会が少ないため気づきにくい。アプリなら、人からの指摘を受けずしていびきの有無を確認できる。
【家族などにいびきの状態を自覚してほしい人】
過度ないびきが常態化していて、本人のいびき対策の意識を高めさせたいと考える家族にとっても便利。いびきは本人が自覚しにくいことが多く、周囲が本人にアドバイスをする際にアプリを用いる。
【睡眠時無呼吸症候群の治療をしている人】
睡眠時無呼吸の有無の確認や、睡眠時無呼吸症候群の治療後、自宅での経過観察のため活用する人もいる。
【更年期以降の女性で、いびきが気になりだした人】
いびきは男性よりも女性の方が少ないが、女性ホルモンの減少で更年期以降にいびきが出始める女性もいる。更年期症状の改善、睡眠時無呼吸の改善を目的に利用する。
【自分の寝言を録音したい人】
おもしろ半分だが、いびきアプリで睡眠中の録音ができるので、寝言を聞くために使う人もいる。アプリによっては寝言をシェアする機能もあり、ランキング形式で聞くこともできる。
【寝具の相性を確かめたい人】
寝具を変えたときのいびきの有無をチェックすることで、新しい寝具がどれくらい睡眠の質を向上させてくれるか確認できる。体動やいびきの量・有無によって、どれくらい深く眠れているかが分かるため、寝具との相性を測るのに便利。
【睡眠の質を上げたい人】
アプリによっては、眠りの浅さ・深さをグラフ化してくれるものもあり、レム睡眠とノンレム睡眠が規則正しいサイクルで訪れているかチェックできる。さらに眠りの深さや睡眠時間、体動・いびきの有無によって「快眠度」を計測することも可能。
いびきアプリ、人気ランキング
アプリ情報サービス「アプリヴ」に掲載のランキング(2019年12月時)から、人気いびきアプリの事例を見てみよう。
1位:いびきラボ いびき対策アプリ(無料)
アルコールや極度の疲労など、いびきを誘発すると考えられる要素を記録したり、実践したいびき対策の登録が可能。いびきが酷い日の要因や効果があった対策をチェックすることで原因を特定し、いびき改善につなげる。
このアプリだけで、睡眠の質と原因が相当程度分析できます。例えば、アルコール摂取量、睡眠前の摂食時間帯、服薬の有無などとイビキの強度発生確率が一瞥できます。さらには、長期間の原因因子との相関分析が自動でなされることから、ユーザーごとに異なる睡眠の質、日中の眠気や集中度との関係を、観測者自身が確認・調整できる点が優れています。(引用:評価とレビュー,いびき対策アプリ「いびきラボ」)
2位:Sleep Talk Recorder(無料)
一晩中、使用者の発する「音」だけを記録。再生する時も、寝言やいびきがあった部分のみといった簡易的な機能性が魅力。他の人のおもしろい寝言に投票できるというおもしろ機能も搭載。
寝ている間のイビキ、寝言、物音などその部分だけはっきり録音され、電池の消耗もそこまで大きくない。購入後ほぼ毎日使用している。(引用:評価とレビュー,アップルストア「Sleep Talk Recorder」)
3位:プライムスリープレコーダー(無料)
睡眠時間やいびきの記録を履歴で一覧表示する。気になるいびきがあれば、友人や家族にシェアすることも。また睡眠時の状態だけでなく、目覚めた時の気分も記録できる。
周りから指摘されイビキをする体質と認識しているに関わらず放置している人に家族や友人がプレゼントしてあげても良いぐらいだ。どれ程の迷惑を周りに掛けているのか真っ先に自覚出来るアプリ。(引用:評価とレビュー,アップルストア「プライム睡眠レコーダー」)
6位:ねごと・いびきレコーダー(無料)
白い背景にカラーでボタンが表示された、シンプルなデザイン。使い方も分かりやすく、いびきや寝言が検出される度に保存され、タップすると音声を再生できる。
枕元に置いておくだけで自分が寝言を言っているかわかります笑 ちゃんと音がしたときだけ録音してくれるので聞く時に聞きやすくていいです(引用:Appliv編集部のレビュー,アプリヴ「ねごと・いびきレコーダー」)
9位:プライムスリープレコーダープロ(無料)
眠りが浅い時間にアラームを鳴らして、自然な起床を促す。睡眠の質を解析して“快眠度”をスコア化。「睡眠時間」「快眠度」「いびき」の傾向はグラフに表示することもでき、体調管理に役立つ。専属秘書のように、時刻と1日のスケジュールを読み上げる機能も。
イビキがひどくて、また、医者から無呼吸症候群と言われたので使い出しました。大変良く記録してくれて、イビキをかかない工夫をするようにしました。(引用:評価とレビュー,アップルストア「プライム睡眠レコーダープロ」)
いびきアプリ、医療現場での積極的な活用進む
いびきアプリの活用は、医療現場でも進んでいる。特に症状が浅いころのセルフチェックやデータ計測に有効で、受診前に実施することをすすめる医療機関や、睡眠時無呼吸症候群の患者を見つけ出す医療機器として可能性を探る医療機関もある。なお、いびきの治療ができるのは耳鼻咽喉科、呼吸器科、いびき外来、無呼吸外来など。
医療機器としての承認取得を目指す(井上病院)
井上病院は2018年、いびきアプリの臨床研究を開始。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いのある者を発見するための医療機器として、承認取得を目指している。現状ではまだ研究段階にあり、治療での活用は実施されていない。
いびきアプリの利用を推奨
東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科では、いびきが気になったらまずはアプリでの測定を推奨している。クリニックのホームページでは、おすすめのいびきアプリを紹介するとともに、測定時の注意事項も記載。録音後に気になる場合は、受診をすすめている。
ネットでもセルフチェックが可能
武田コンシューマーヘルスケアが運営する健康情報サイトでは、「症状・疾患ナビ」で、症状・疾患の原因と対処法を解説している。いびきの項目では、いびきの原因と危険性、予防法・対処法とともに“セルフチェックテスト”を公開。10の項目に回答するだけで、診察を受けるべきかどうかウェブ上で確認することができる。
今後のいびきアプリの活用
いびき外来など医療機関での受診はハードルが高くても、自宅でセルフチェックできるいびきアプリなら誰もが簡単に睡眠中の健康状態を把握できる。いびきアプリは医療機関受診のきっかけを後押しするだけでなく、未然に病気を防ぐこともできる優秀なヘルスケアアプリ。人々のいびきに対する危機意識は十分に高いとはまだ言えないが、医療機関による推奨や活用、企業・メディアによる啓発により、“自宅でのいびき対策”の認知は広がりそうだ。
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