いびきアプリ 医療現場での活用進む(3/3)

いびきアプリ、医療現場での積極的な活用進む

いびきアプリの活用は、医療現場でも進んでいる。特に症状が浅いころのセルフチェックやデータ計測に有効で、受診前に実施することをすすめる医療機関や、睡眠時無呼吸症候群の患者を見つけ出す医療機器として可能性を探る医療機関もある。なお、いびきの治療ができるのは耳鼻咽喉科、呼吸器科、いびき外来、無呼吸外来など。

医療機器としての承認取得を目指す(井上病院)

井上病院は2018年、いびきアプリの臨床研究を開始。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いのある者を発見するための医療機器として、承認取得を目指している。現状ではまだ研究段階にあり、治療での活用は実施されていない。

いびきアプリの利用を推奨

東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科では、いびきが気になったらまずはアプリでの測定を推奨している。クリニックのホームページでは、おすすめのいびきアプリを紹介するとともに、測定時の注意事項も記載。録音後に気になる場合は、受診をすすめている。

ネットでもセルフチェックが可能

武田コンシューマーヘルスケアが運営する健康情報サイトでは、「症状・疾患ナビ」で、症状・疾患の原因と対処法を解説している。いびきの項目では、いびきの原因と危険性、予防法・対処法とともに“セルフチェックテスト”を公開。10の項目に回答するだけで、診察を受けるべきかどうかウェブ上で確認することができる。

今後のいびきアプリの活用

いびき外来など医療機関での受診はハードルが高くても、自宅でセルフチェックできるいびきアプリなら誰もが簡単に睡眠中の健康状態を把握できる。いびきアプリは医療機関受診のきっかけを後押しするだけでなく、未然に病気を防ぐこともできる優秀なヘルスケアアプリ。人々のいびきに対する危機意識は十分に高いとはまだ言えないが、医療機関による推奨や活用、企業・メディアによる啓発により、“自宅でのいびき対策”の認知は広がりそうだ。

 

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