ラメラ構造とは?浸透進む「ラメラ構造に着目した美容法」

肌の内側から美肌を目指す考え方として注目を集めている“ラメラ構造”。2018年〜2019年にかけて認知が広がり、「ラメラ構造に着目した美容法」は一般にも徐々に浸透してきている様子。化粧品口コミサイト「@コスメ」で「ラメラ構造」のキーワードで検索すると24アイテムがヒットする(2019年12月現在)。ラメラ構造を訴求する美容商品の事例をチェック。

ラメラ構造の基礎知識

肌のうるおいの源となる「ラメラ構造」は、ミルフィーユのような層状構造が特徴。このバランスを整えることで、健康でうるおいのある美肌をキープすることができる。

ラメラ構造とは

ラメラ構造とは層のように重なり合う構造のこと。「ラメラ」は、葉緑体(光合成を行う植物の細胞小器官)の内部にある層状の構造物を指す言葉でもある。美容業界では、皮膚の“角質層”を構成する細胞と細胞の間にある“細胞間脂質”の構造のことを指す。細胞間脂質は水と油の層状構造をなし、肌の水分蒸発や外的刺激の侵入などを防ぎバリア機能の役割を果たしている。

人間の肌の仕組み

人間の肌は、外側から順に表皮・真皮・皮下組織と主に3層に分かれ、さらに表皮は外側から順に角質層・顆粒層・有棘層・基底層に分かれている。角質層の厚さは、ラップ1枚に相当する0.02mmほどと非常に薄い。その角質層は細胞間脂質と角質細胞からなる。角質細胞の水分は、水分保持の役割を持つ天然保湿因子(NMF)によって保たれる。ラメラ構造の乱れは肌荒れを引き起こすとされ、ラメラ構造を整えることで肌の潤いはキープされる。

ラメラ構造

ウーマンズラボ編集部で作成

ラメラ構造が乱れる原因

肌への刺激や加齢が原因となってラメラ構造は崩れる。また洗浄料に含まれる界面活性剤がラメラ構造に侵入し乱れることも。クラシエホームプロダクツのビューティケア研究所が行った研究では、洗浄後の肌は水分量が減少していることが判明。乱れたラメラ構造の隙間から水分が逃げてしまうことが確認された。またラメラ構造が乱れて肌のバリア機能が低下すると、水分が失われて乾燥したり、紫外線や摩擦による刺激でダメージを受けやすくなる。

 

ラメラ構造に着目した美容法

ラメラ構造は直接的な刺激はもちろん、紫外線・花粉アレルギーといった環境的な刺激によっても乱れてしまう。よって、女性たちが実践するラメラ構造を壊さないケアとしては、紫外線・乾燥・洗いすぎといった外的刺激を避けることと、ラメラ構造に着目した化粧品を使うこと、この2点がある。

美肌作りのために外的刺激を受けないように注意するという概念は美容の常識としてすでに誰もが知っているが、最近の流れとして特徴的なのは、ラメラ構造に着目した化粧品を使ってケアする点。実際に、女性たちの注目が高まってきたことでラメラ構造に着目した商品やセールスコピーは以前よりも増えている。例えば「ラメラ美容法で内側から輝く肌に」「美肌のカギはラメラ構造」「100%ラメラ構造」といった文言での訴求だ。ラメラ構造を壊さない具体的な習慣を紹介する書籍も登場している。

 

ラメラ構造に着目した商品事例

肌の健康はラメラ構造を整えることで内側から守ることができる。美容業界やヘルスケア業界では、その働きに着目した商品が次々と発売されている。肌表面だけでなく、肌の内側から美肌を目指す「ラメラ美容」商品をご紹介。

洗浄料

《ラメランス フェイスウォッシュ / クラシエホールディングス》
洗浄成分が肌の水分を奪うことを知ったクラシエは、ラメラ構造に浸入しない洗浄成分を発見し、世界初の洗浄技術「ラメランス テクノロジー」を開発。ラメラ構造を守るラメラプロテクト洗浄成分の働きで、ラメラ構造を乱さずに角質層を保湿するフェイスウォッシュを発売した。洗顔後の水分蒸散量は水で洗ったときと同程度。

スキンケア

LB美容液 EH-4X13 / パナソニック
パナソニックは約10年の歳月をかけて独自の「ラメラ液晶乳化製法」を開発。ラメラ構造と同様に油分と水分が連続して重なり合う美容液「LB美容液 EH-4X13」を、“ラメラ処方”として発売。角質層を整えることで外的ストレスから肌を守るバリア機能をサポートし、肌本来の働きを整える。同社商品のスチーマーなど美容家電とのセット使いも推奨しており、パナソニックビューティの商品を持っている女性ならつい手を伸ばしたくなる。

ハンドクリーム

スキンコットン /(株)ビジナル
「ラメラ構造技術(液晶乳化製法)」を採用したラメラ構造と類似したハンドクリームで、日中用クリームは紫外線の刺激から肌を守り、夜用クリームはダメージを受けた肌を補修する。全国のバラエティショップやドラッグストアで販売中。

 

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