女性たちの1日の生活行動時間(29項目)を可視化 女性マーケの基本データに使える世論調査
ターゲット女性は何時に起床し、何時から仕事を始め、何時に買い物をして、何時に各メディアと接触し、何時に寝ている?1日何時間仕事をして、どれくらい休息時間をとり、どれくらいの時間を療養・静養にあてている?
女性たちの平均的な1日の時間の使い方を確認するなら、国民生活時間調査が役立つ。NHK放送文化研究所が1960年から5年に1回実施する世論調査で、以下29項目の生活行動時間(※)について、男女別・年代別・曜日別に調べている。(※)時刻別の行為者率と平均時間量。
<必需行動>
- 睡眠
- 食事
- 身の回りの用事
- 療養・静養
<拘束行動>
- 仕事関連(仕事/仕事のつきあい)
- 学業(授業・学内の活動/学校外の学習)
- 家事(炊事・掃除・洗濯/買い物/子どもの世話/家庭雑事)
- 通勤
- 通学
- 社会参加
<自由行動>
- 会話・交際
- レジャー活動(スポーツ/行楽・散策/趣味・娯楽・教養(ネット除く)/趣味・娯楽・教養のネット(動画除く)/ネット動画)
- マスメディア接触(テレビ/録画番組・DVD/ラジオ/新聞/雑誌・マンガ・本/音楽)
- 休息
- その他・不明
同調査の最新版は今年公表された「国民生活時間調査2020」。今回はコロナ禍の昨年10月に調査が実施されたこともあり、新しい生活様式が反映された結果となった。前回の2015年比で見られた変化として同研究所は以下3つを挙げている。
- 時差通勤や在宅勤務など、これまでにはない生活行動が見られた
- これまでの長時間労働から一転、仕事時間が減少した
- 男性の家事・子どもの世話の時間が増加、中年層の早寝、高齢層の夜更かし、ネット利用の増加
上記の変化が見られた要因として大きいのはもちろんコロナ禍による生活変化だが、同研究所は「これらの変化の背景には、この5年における人々の意識や社会の変化があり、それらが、今回のコロナ禍で『加速、顕在化した』と言えるのではないだろうか」と見ている。よって、今の感染状況が落ち着いても人々の行動が完全に戻ることはないとの見解を示している。
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着くと、若干揺り戻しはあるかもしれない。ただ、こうした変化はコロナ禍が収束したあとも、基本的には完全に戻ることはないだろう。(引用:「新しい生活の兆しとテレビ市長の今」NHK放送文化研究所)
収束後も新しい生活様式は部分的に継続されていくという見方は各所が示しており、「コロナ禍で刻々と変化、女性の消費は今後どうなる? 最新レポート3選」の記事で紹介した最新の消費レポート(PwC)でも同様のことを述べている。
国民生活時間調査2020の調査結果詳細は、HPよりCVSファイルでダウンロード可。もっとライトに見たいなら、HP上のインフォグラフィックで閲覧するのがおすすめ。検索ボックスで調査年・年層・性別・曜日・時間を選択すると、生活行動を視覚的に理解できる。例えば以下は、「20代女性」と「70歳以上女性」の平日の午前9:45〜10:00の生活行動をインフォグラフィックで示している。この時間は20代女性は「仕事」をしている人が多い一方で、70歳以上女性は「テレビ」を見ている人が多いことがわかる。
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