国民性は消費にどう影響する?ソーシャルメディア国際比較から垣間見る「他人軸」な日本人

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情報通信白書(総務省/平成30年版)の「ソーシャルメディアによる情報発信・閲覧(国際比較)」では、4カ国(日本、アメリカ、ドイツ、イギリス)のソーシャルメディアの利用状況についてまとめている。対象のソーシャルメディアは、Facebook、Twitter、Instagram、LINE、その他のSNS、ブログ、情報・レビュー共有サイト、掲示板、オンラインゲーム/ソーシャルゲームで、以下4つの利用状況別に割合を出している(調査結果は記事下部に掲載)。

  • 自ら情報発信や発言を積極的に行っている
  • 自ら情報発信や発言することよりも他人の書き込みや発言等を閲覧することの方が多い
  • ほとんど情報発信や発言をせず、他人の書き込みや発言等の閲覧しか行わない
  • ほとんど利用していない
  • まったく利用していない

この調査結果からは全体的な傾向として、日本は他国と比べると「自ら情報発信や発言を行う」人の割合が低く、「他人の書き込みや発言を閲覧する」人の割合が他国より高いことが読み取れる。特にそれが顕著なのがFacebook、Twitter、ブログ、情報・レビュー共有サイト、掲示板で、日本ではこれらを使って自分の意見や情報を「発信」するよりも「閲覧」のために利用している人が多いことがわかる。日本人の「自己主張はしない・苦手」「気になるのは自分の意見よりも他人の意見」という気質が垣間見える結果だ。同時に、欧米人の「自己主張は当たり前」「大事なのは周りの意見よりも自分の意見」という気質も垣間見える。

欧米人と比較して「控えめで主張をしない」日本人の傾向は、どうやらソーシャルメディアの利用方法にもあらわれているようだ。特に企業視点で気になるのは、情報・レビュー共有サイトの利用方法。「ほとんど情報発信や発言をせず、他人の書き込みや発言等の閲覧しか行わない」人の割合は他国が1〜2割程度に対し、日本は3割超え。商品を購入する際、「自分がその商品についてどう思うか?」よりも「他人はどう評価しているか?」を気にする他人軸の価値観が欧米と比較して強いのだろう。良い意味でも悪い意味でも、「購入者レビューが購買行動に与える影響が大きいのは欧米よりも日本」と言えそうだ。

 

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